「無痛分娩で産んでみたい」と自分の気持ちを伝えた洋子さん。けれども夫は、「う~ん」と考え込むだけで、何も言わなかったのだとか。

「もしかすると、出産予定の病院が無痛分娩を取り入れてないから、難色を示しているのかな?」と感じた洋子さんは、無痛分娩がダメなら帝王切開を検討していると伝えたそうです。
「帝王切開の方がラクだなんて全く思っていなかったし、実際に経験した友だちから話を聞いて、自然分娩とは違うリスクがあることも知っていました。ただ、母親や出産を経験した人たちから『2日間陣痛が続いた』『痛くて死にそうになった』などと散々聞かされて怖気づいてしまって。自然なお産に耐えられる自信がなかったし、分娩で消耗しきった後に、まともに育児ができるのか…。それが不安で仕方ありませんでした」
そんなふうに苦悩する洋子さんに対し、夫はこう言い放ったそうです。
「
何言ってんだよ! 出産はお腹を痛めてこそ、だろ?」

自分がお腹を痛めて産むわけでもないのに、命がけで出産する妻に対し、よくもそんなことが言えるなと、人の家庭のことながら、話を聞いて激怒してしまった筆者。洋子さんはそんな私を見て苦笑いしながら、こう続けました。
「『無痛分娩でも帝王切開でも、それぞれリスクは伴うだろうから慎重に判断しよう』と言うならまだしも、夫の言い方だと自然分娩以外はまるで意味がないみたい。これは許せませんでした。
それに、自分の母親や義母から『お腹を痛めてこそ』と言われていたら、反発はしただろうけど、昔はそういう時代だったんだろうなと思えた。けど、義母は柔軟な考え方をする人で、『
出産する本人が納得できる方法で産むことが一番大切』と言ってくれたんです。なのに、私より若い夫からそんな言葉を聞くことになるとは…」
そんな前時代的な考えを持つ彼女の夫も、最近ではちょっと変わってきたのだとか。
「今になって無痛分娩や帝王切開に理解を示すようになりました。しかも子育てがシンドかったら、シッターに来てもらえばいい、しばらく働かず家にいればいいとまで言うように。1人目が生まれる前には、絶対そんなことは言わなかったのに。なぜ変わったかというと、彼はどうしても2人目が欲しいから。私が
『死ぬ気で子供を産む妻の意思を尊重しない夫の子供はもう産まない!』と完全拒否したから、焦ったみたいです」