佐々木蔵之介(54歳)、会社員時代の思い出の地で撮影「立ち上げに関わった」
50代半ばに差し掛かり、より一層実力も魅力も増している俳優の佐々木蔵之介さん(54)。年が明け、中井貴一さんとのW主演によるシリーズ第3弾の映画『嘘八百 なにわ夢の陣』がスタートしました。
これまで千利休、古田織部の茶器をめぐって大騒動を巻き起こしてきた骨董コンビの古美術商・小池則夫(中井)と陶芸家の野田佐輔(佐々木)が、今度は豊臣秀吉にまつわる縁起物「秀吉七品」に目をつけ、だまし合いバトルを繰り広げます。舞台は大阪。クライマックスを撮影した博物館とは、会社勤めのころに縁があったという佐々木さんに、佐輔を三度(みたび)演じて感じたことや、中井さんとの共演について伺いました。
――今回も作陶のシーンがとても素敵でした。3作目となり技術もあがっているのでは?
佐々木蔵之介さん(以下、佐々木)「準備期間に割と時間が取れたので、合宿と名乗って稽古しました。日中ずっとドロドロになりながら先生と終日作陶して、暗くなったらドロドロのまま一緒にちょっと飲みに行って、先生が陶芸家になったきっかけやご苦労などの話を聞いたり、“野田佐輔”について話を掘り下げたり。そうした時間が力になったかなと思います。作陶過程をカット毎に撮影していますが、作陶している姿のどこを切り取ってもらっても大丈夫な様に、出来るだけ体に馴染んだ状態で臨みました」
――今回は、秀吉にまつわる品がターゲットです。
佐々木「『麒麟がくる』で秀吉をやらせていただきましたし、実家も聚楽第跡地の中にあるというのもあり、秀吉には愛着があります。本編のクライマックスで、キャストが一堂に会する狭山池博物館は、会社員時代に博物館の立ち上げの企画に参加してたんです」
――そうなんですか!
佐々木「はい。だから色々とご縁を感じましたね」
――今回も佐輔はいろいろと巻き込んだり、巻き込まれたりですね。
佐々木「佐輔には、誰からも求められていなくても陶器を作りたい思いがあると思うんです。それって何なんだろうと考えるんですが、彼には『これいいと思ったから、私買ったのよ』と言ってくれる妻がいて、『誰がなんと言ってもお前には腕がある』と言ってくれる則夫がいる。すごく身近なところで認めてくれる存在がいるんですよね。もちろん自分が作りたいんだけど、そうやって身近なところで認めてくれる人がいるから継続できているのだろうと感じました」
――本作は“夢”がテーマでもあります。
佐々木「佐輔を見ても、夢を叶える力というのは近くにあるものなんですよね。多くの人に認めてもらえたらそれは嬉しいけど、そうでなくても幸せで豊かな時間を過ごせるし、誰かが認めてくれれば、自分の情熱が支えられて夢に向かっていくエンジンになる。やっぱり自分の力だけではないんだなと。あとは、仲間の存在も大きい。今回もチームでやっている。映画作りも同じですね。みんなで作り上げているんだなと感じます」
クライマックスの舞台は会社員時代の思い出の地
佐輔には身近なところで認めてくれる存在がいる
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