ただそんな桜子さんを責めるでもなく、良樹さんは嫌な顔をせずに、フォローしてくれたそうです。

「地獄みたいな空気になりましたけどね。
でも、次のサービスエリアで掃除してくれて、タオルやら替えの下着を買ってきてくれたり、すっごく優しくしてくれました」
ただ、女性としては最も見られたくない失態です。桜子さんは落ち込み、良樹さんの顔すら見れませんでした。
「もう、関係は終わった、別れるしかない、と落ち込んで顔も上げられなかったのですが、そのときに良樹が、『
そんなことで嫌いになるわけないだろ、うんちの匂いだって好きだ』って訳の分からない告白をしてくれて……バカだと思いません? でも、そのおかげで、深刻な空気にはならずに済みました」
彼の告白を聞いて、桜子さんの良樹さんに対する信頼はさらに深まったそうです。
「ただ、レンタカーの清掃代は高額になっちゃいましたけどね」
旅行にはトラブルがつきものです。だからこそ、そのトラブルに見舞われたときに、フォローしてくれるパートナーだと、信頼が一層増すというものです。
―シリーズ「行楽・旅行のトンデモエピソード」―
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<文/浅川玲奈 イラスト/ただりえこ>
浅川玲奈
平安京で生まれ江戸で育ったアラサー文学少女、と自分で言ってしまう婚活マニア。最近の日課は近所の雑貨店で買ってきたサボテンの観察。シアワセになりたいがクチぐせ。