Human

甘く見てはいけない「中年の物忘れ」の意外な予防法。原因は“脳の衰え”じゃないかも

秘訣3:家族ラインが物忘れ防止に

家族が見つめ合う様子 それと、家族ラインを使うことをおススメしたい。わが家は、家族の一般連絡用のトークグループと、孫の子育て専用(主にミルクや食事、ウンチの実績を書き込む)のトークグループを作っている。いずれも、メンバーは、私と夫、息子とおよめちゃんだ。  たとえば、家の買い物を思いついたら、ここにメモしておくと、誰かが気づいて買ってきてくれたりする。家族への連絡事項も、ここに入れておく。写真も添付できるから、とても便利だ。たとえば、「このザル、ここにしまってね」とか「コーヒー豆、ここに置いたよ」とかね。一斉に全員に伝えられるし、「言った」「聞いてない」事件が起きにくい。ときには「トイレのここ、掃除のときにちゃんと拭こうね」のような改善要請にもラインを使う。  こういう家事連絡って、相手が忙しいときに口で言うとイラっとされて、小言扱いされるけど、ラインなら、相手が余裕のあるときに見てくれるから、素直に「わかった~」という返事がくる。  夫婦二人の暮らしでも、熱烈おススメする。夫の気のない返事を聞かなくて済むし、こちらの改善要請に「忙しかったからしかたないだろう」なんて反発してくる嫌そうな顔も見なくて済む(微笑)。

秘訣4:脳の心配より、体力の維持

ダンスする女性 今後、私の体力が落ちてきて、処理能力が落ちてくると、きっと「ふと浮かんで、消える」が増えてくるのだろう。  脳が衰えたんじゃなく、脳が身体の衰えに合わせてくれるのである。歩けなくなったら、外のことに思いが至らなくなるように。これは、ボケなんかじゃない。脳の想定内の仕事である。脳はサボってなんかない。  私の体力(処理能力)が、暮らしを支えることができないくらいに落ちてきたら、それが他人の世話になるときだ。そのときには、脳も、身体に合わせて、かなりぼんやりしてると思うけどね。  だから、年を重ねたら、自力で歩くこと、体力維持が大切なのである。内臓が丈夫なうちに、先に体力が落ちると、人の世話になる時間が長くなる。体力維持には、努力が要る。けど、「自然にぼんやりしてくる脳」を案じてもしかたない。これは、体力が落ちてきたことに付随する脳の自然の摂理だから。  というわけで、60過ぎたら、脳の心配より、体力の維持だ。「身体を動かす、何か好きなこと」を少なくとも一つ、見つけておいてほしい。 <文/黒川伊保子 構成/女子SPA!編集部>
黒川伊保子
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ
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