「議会で男性にタンポンの話をさせるのはセクハラ」杉並区議の発言に性教育YouTuberの見解は
杉並区議会議員の小林ゆみ氏、わたなべ友貴氏が発信した内容が、物議をかもしています。
きっかけは「杉並動物園へようこそ」と題された2023年6月17日の投稿。小林氏は6月13日に開かれた災害対策・防犯等特別委員会の様子を自身のnoteで次のように綴りました。
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台風2号についての質疑のところで、れいわの山名かなこ委員から、「避難所に生理用品は置いているのか」という質問が杉並区に対して為されました。
杉並区の担当課長(男性)からは、「一般的な生理用品は用意してあります。」と答弁がありました。
それに対して山名委員は、「タンポンや月経カップなどは用意していないのか」と質問をしました。この時点で、私を含め気分が悪くなる委員多数。
男性の担当課長はしどろもどろになり、大変答えにくそうに「避難所に用意する生理用品についても、適切なものを今後検討していきます…。」と答弁しており、大変気の毒に感じました。
委員会室には、委員(議員)、議会事務局スタッフ、速記者、部長や課長をはじめとする杉並区職員、傍聴者、合わせて50〜60名がひしめき合っており、その中で一人起立させて、生理用品のことを答えさせる…。
これは、女性から男性に対するセクシャルハラスメントに当たるのではないでしょうか。(一部抜粋・原文ママ)
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この投稿がされた日の深夜、同じく杉並区議で、防災士の資格を持つという小林氏の夫・わたなべ友貴氏が自身のTwitterを更新。小林議員のnoteを取り上げたツイートを引用した上で次のように投稿し、さらに注目が集まりました。
「男性職員も戸惑うことなく、議事録に残る形で平然と女性用生理用品の具体的な品名を発言できるようにするのが、左派の皆様のおっしゃる、包括的性教育なんでしょう。益々食い止めなくてはいけません」
小林氏、わたなべ氏の発信には「生理用品は生活必需品。議会だからこそ堂々と話し合っておくべき」「わざわざ男性にみんなの前で答えさせなくてもいいのでは」などさまざまな声があがっています。
総合病院産婦人科、精神科児童思春期病棟で勤務ののち性教育YouTuberとして活動するシオリーヌさん(大貫詩織さん・@shiori_mw)に見解を聞きました。
シオリーヌさんは今回の騒動について「当事者がどう感じたかわからないなかで議論するのは難しい」と話します。
「『セクハラかどうか』は、基本的に受け手が自分の権利を侵害されたと感じるか否かが大きな判断材料になります。今回の件では、男性課長が実際にどう感じたかわからない状況なので、議論が難しいと感じます。
もちろん男性課長が質問によって実際に心理的な負担を感じていたのであれば、議会を心理的安全性の高い場所にするために必要な改善点を話し合っていくべきだと思います。
しかしながら、セクハラとは性暴力の一つで、『性に関する人権を侵害する行為』のこと。今回の議会でされた質問がその人の持つ人権を侵すような内容だったかというと、そうではないように思います」(以下、シオリーヌさん)