広末涼子がふたりの男性の間で求めたものとは…「活動家」キャンドル氏と「実業家」鳥羽シェフ
<亀山早苗の恋愛時評>
次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
キャンドル・ジュン氏、会見で世間を味方につけたがモラハラの匂いも
不倫が発覚した女優・広末涼子の夫、キャンドル・ジュン氏が妻に伝えることなく、たったひとりで記者会見を開いたのは6月18日のこと。 この会見で、妻はいつでも一生懸命でいい母親だったと訴えたが、その一方で広末と結婚する際、長男の実父である前夫には「もう子どもと会わないでほしい」と伝えたり、「これ以上、会社やスタッフへの脅迫文送りつけはやめてほしい。これだけさらしても、それが止まらないのであれば、それを理由に私が命を絶とうと思う。これを脅迫と思ってもらっていいです」と、不穏な発言が相次いだ。 そもそもジュン氏は、妻の不倫が発覚したおりにも「けじめをつけますので、みなさん、お楽しみに」と背筋が凍るような言葉を吐いている。 この「お楽しみに」と「自分が命を絶つ」については、さすがに本人も不穏当だと思ったのか、のちに釈明しているが、ポロリと漏れた言葉には、本音が表れるもの。自分が意図した反響が得られないとなると、すぐに釈明するところ、妻を上げているように見えて、実は自分が結婚生活の被害者だと訴えているところなどが散見される。そこにモラハラの匂いをかぎつけた女性たちも多かった。 だが世間はなぜかジュン氏の味方が多かった。「男を上げた」だの「不器用だけど誠実な人」だのといわれ、ジュン氏としてはおおむね大成功と胸をなで下ろしたのではないだろうか。
「色恋沙汰」において、要求してさせる“謝罪”で心は鎮まるのか
個人的には夫が間男(まおとこ)に公式に謝罪を要求しているところも腑(ふ)に落ちなかった。 それは実際には裏でやればいい話で、そもそも妻の感情も大きくからむ「色恋沙汰」において、夫という立場と“正義”を振りかざして「謝罪を要求」するのは、どういう心理なのだろうか。会いに行って土下座でもしてもらったら溜飲(りゅういん)が下がるのだろうか。 謝罪は、するほうが誠意をもってするから有効なのであって、要求して無理矢理させる“謝罪”で心が鎮(しず)まるのだろうか。それは世間的に「男を下げる」行為ではないのか。こういった恋愛がらみで、他人に謝罪を要求する人間の気持ちがどうもわからない。