成長中の“結婚ビジネス”で「人が辞めまくってる」わけ。悪質クレーマーよりやっかいなのは
こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。
婚活の記事を書いていると「婚活業界は非モテを集めてぼろ儲けしている」といったコメントが付くことが多々あります。でも、決してぼろ儲けをしているわけではないと思うのです。
マッチングサービスを提供する企業は人の出入りが激しく、過去には知り合った方が翌月退職してたり、メンタルダウンで休職していたということも多々ありました。もしかしたら急成長中なのかもしれませんが、常に積極的に求人を出している会社もあります。
今回はそんな「婚活サービスの裏側」を、大手の婚活企業A社に仲人(なこうど)として勤務していたという祐実さん(仮名/首都圏在住)に取材しました。結婚を応援するこの業界が、もっと健全になってほしい。そんな思いを込めて、リアルな実情をお届けします。
祐実さんが勤めていたA社も、離職率が高い印象があります。祐実さんは在籍5年で辞めたそうですが、会社の中では5年いればベテラン扱いだったそうです。なぜ、離職率が高いのでしょうか。
「会社がサポートの質向上よりも、入会者を増やす営業に重点を置いていて、無料相談会に来たお客様をクロージング(成約につなげること)できないと、上司からの叱責があるんです」
ちなみに祐実さんのクロージング率は7割で、かなり高い方だったそう。
結婚相談所は新規参入も容易で、競合はどんどん増えています。結婚相談所を検討する人は、複数の会社で話を聞いていることがほとんど。そんな中でも、A社は無料相談で対応した人数のうち何割入会させることができたかで成績が出されるそうです。
社内では、入会クロージング率の高い社員のテクを学ぶ勉強会も開催されていました。
離職率が高い理由は、他にもあります。
「集客に力を入れている結果、入会後のトラブルも多いのです。厳しい婚活の実態を入会前に話さないこともあるため、入会後に期待との乖離(かいり)を感じる方もいます。価格に見合ったサービスではないとか、全然出会えないとか、たびたび言われていました」
これは筆者自身もよく聞く話です。結婚相談所に入会すれば結婚できる、ぐらいに勘違いをして入会する人はいます。高いお金を払ったからって、自分の魅力を買えるわけではないのに。結婚相談所に支払う料金は「独身で身元が証明された出会いの場に立つ機会」に対しての対価であって、結婚相談所の中は競争の場です。それなのに入会前に甘い期待を持たせてしまえば、がっかりされることはあるでしょう。
会員が想像力を働かせればいいという部分もありますが、これは説明不足な状態でも会員数を増やすために入会させてしまうという、結婚相談所の問題も大きいです。
サービスの質向上よりも、新規入会者を増やすことを重視
「全然出会えない!」会員からのクレームが来やすい理由
