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「家にエアコンがなく、一日中図書館に」貧困に苦しむ子育て家庭“地獄の夏休み”当事者の声を聞いた

 異常な猛暑が続く今年の夏だが、悪夢は気温だけではない。物価高や電気代の高騰で子育て中の困窮世帯はかつてないほどの苦境に置かれている。
[貧困子育て世帯]地獄の夏休み

※画像はイメージです(以下同)

 この夏休みに何が起きているのか。支援者への取材や当事者の声から浮かび上がった子供の貧困の実情に迫った。

「昼食は100円のパンを兄弟で分ける」

 困窮世帯の食料問題は自治体も問題視しており、東京都板橋区がコメなどの食料品を無料配布するフードパントリーを先駆けて設置したほか、豊島区でも公民連携で食料品の提供を始めている。
[貧困子育て世帯]地獄の夏休み

酷暑を避けるため一日中、図書館にいる子供も(※画像はイメージです)

 そこで、困難を抱える生活困窮者やその関係者に話を聞いた。北関東に住む2児の母・Rさん(30代)は言う。 「家にはエアコンがないので、私の出勤に合わせて子供も外出します。図書館や近所の児童館に行けば友達がいるので、夜7時頃まで毎日、過ごさせています。  ゲームをしたり、漫画を読んでいますね。昼食はダイソーで買った100円のスティックパン1袋を兄弟で分けています。飲み物は施設の冷水機ですよ」

友達家庭の昼食を食べ回る「シングル家庭の女の子」

[貧困子育て世帯]地獄の夏休み 次は関西の公営住宅に住む主婦のAさん(40代)の話。 「マンション内には同じ小学校の子たちがたくさんいるので、夏休み中は出入り自由みたいな感じでいろんな友達が家に来るんです。  そんななか、あるシングル家庭の女の子が、いつも昼食時を狙って家に来る。自分の子だけに昼食を出すわけにもいかず、その子の分も作ります。  3~4日に一度は来るのですが、他の家庭に聞いたら、どうやらローテーションでいろんなところで昼食を食べているみたい。かわいそうなのでその子の親に何か言うことはありませんが」
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物価の高さに悲鳴をあげる3児の母が語る実情
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