老舗メーカーが希少きのこを開発したら激ウマ高評価!“なぜ食用きのこを?”直撃してみた
“秋の味覚”として代表的な食材のひとつである「きのこ」。そんなきのこの中でも少しレアな「はなびらたけ」ってご存知でしょうか?
今回は幻のきのこと言われる、はなびらたけ「ホホホタケ」※を生産・販売している自動車用電球製造メーカーにお話を聞きました。(※「ホホホタケ」は株式会社大井川電機製作所の登録商標です)
静岡県にある大井川電機製作所が栽培しているブランド「ホホホタケ」は、「はなびらたけ」という種類のきのこです。
はなびらたけは、標高1,000メートル以上の高山に生息するきのこで、限られた条件の中で自生するため採取するのが難しく、「幻のきのこ」と呼ばれているんだとか。
見た目は白い花びらのように華やかで、コリコリした独特の食感が特徴的。さらに、きのこの中でも栄養素がより多く含まれ免疫機能を促進することから、料理人から高い評価を得ているとのこと。
自動車用電球製造メーカーと“きのこ”…と考えると、ぱっと共通点は思いつきません。なぜきのこの開発に至ったのでしょうか?
大井川電機製作所の代表取締役である佐々木孝行氏にお話を伺いました。
「大井川電機製作所では、車のウィンカーやライセンスランプなどのウェッジ球という電球を主力として生産してきたのですが、LED化に伴って、2013年頃から売上が減少傾向にありました。そこで新規事業への参入を検討した結果、“はなびらたけの栽培”という案に至ったのです」(以下、カギカッコ「」内佐々木氏)
なぜ「はなびらたけ」だったのでしょうか?
「はなびらたけは繊細なきのこなので、栽培するためには湿度、温度、二酸化炭素の量など、きのこの成長の様子を見ながら細かい管理が必要になります。
このような品質管理が重要である点が、電球を作る際の技術に似ていたのです。車に使う電球ですから、毎月何百万と生産するのですが、その中の一個でも欠陥があると大変なことになります。
そのため注意深い観察ときめ細かな調整を行うことが必須です。その取り組み方や考え方が、はなびらたけの栽培に活かせると思ったのです」