「最終目的」が怖すぎる、25歳の“不倫純愛”。相手の“奥さん”に近づき家に上がった後は|ドラマ『泥濘の食卓』
ドラマ『泥濘の食卓』第4話。怖い、だがのめり込んで見てしまう。深愛(齊藤京子)は、存在しない団体名を使って、不倫相手のスーパーの店長・那須川(吉沢悠)の妻ふみこ(戸田菜穂)に近づいた。心を病んでいるふみこは、知り合って間もなく、深愛にメールを送ってくる。
【前回記事】⇒心を病んだ奥さんに、夫の不倫相手が接触。病院に押しかけ“恐ろしいウソ”で話しかける|ドラマ『泥濘の食卓』
深愛はふみこの心に寄り添い、共感している返信を送った。
「これからもメールしていいですか?」
その言葉に、深愛は「店長の奥さんが私を頼ってくれた」と狂喜乱舞に近い状態に陥る。それから毎日、ふみこからメールが届くようになった。純粋で律儀な深愛は、図書館に通って心理学の勉強に打ち込む。ノートにびっしり書かれた文字を見ると、本気でやっていることが察せられる。
このときの彼女の言葉が怖い。
「私、毎日が充実している」
「理想の未来に近づいている気がする」
彼女の“理想”とは、那須川との間に子どもを挟んだ構図。もちろん深愛と那須川の子である。それを思い描いている深愛のとろけるような笑みが怖い。自分の理想のために、彼女はふみこを救おうとしているのだが、万が一バレたらふみこがどれほど傷つくかというところには考えが至っていない。このあたりが深愛の興味深いところだ。現実感と自分の幻想に近い想像の中を行ったり来たりしている感じがとてつもなく怖い。
ある日、ふみこからSOSがくる。トイレが詰まったのだが家が散らかっていて業者を呼ぶことができないというのだ。深愛は、トイレ詰まりに効果のありそうな道具を持って飛んでいく。
「店長の家に入ってしまった」興奮が深愛を包む。だが、そんなことを感じさせず、深愛は一生懸命、取り組む。こういうときの深愛の判断力、決断力はなかなかのものだ。トイレが無事に流れるようになり、ふみこにひきとめられて一緒にお茶をし、そこからふたりの間はどんどん近づいていく。
ふみこが部屋を少しずつ片づけ、窓を開けて空気を入れ換えたら気持ちがよかったと報告してくるたび、深愛は横に並んでいる親友のように受け止め、必死に励まし続ける。
怖いもの見たさなのか、目が離せない
トイレの詰まりをきっかけに、急速に仲良くなるふたり

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