「最終目的」が怖すぎる、25歳の“不倫純愛”。相手の“奥さん”に近づき家に上がった後は|ドラマ『泥濘の食卓』
父への怒りを燃やす息子、笑って不倫を隠す父親
ふみこと那須川が並び、那須川の前に深愛が座る。深愛の足を、那須川の足が撫でていく。そこへ戻ってくる息子のハルキ(櫻井海音)。自分が想う深愛は、父の不倫相手だと疑っているハルキは、鍋を囲む食卓で父を見ながら「コイツ、殺す」と内心でつぶやいている。このハルキの反抗的な目と、目尻にシワをよせつつ笑う人のよさげな父との対照がまた怖い。
まさに「救われない食卓」
だが深愛は、「なんて温かいんだろう。これが家族、これが幸せ」と思い込んで心を酔わせている。齊藤京子の、どこか浮世離れした心の表現が演技なのかどうか、もはやわからなくなってきた。今後、深愛はどうなるのか、ふみこと那須川の夫婦関係は、そして同級生に粘着されて深愛に救いを求めたいハルキは……。怖いけれど、やはり続きが見たい。
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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