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クマ駆除への抗議団体も応援、“過激自然派”にハマり友人・職も失った50代女性の後悔

―連載「沼の話を聞いてみた」― ペットの病気をパワーストーンで手当する――そんな話を聞き、つい「さすがはコロナ禍でも好調だったペット産業ですな!」と思ってしまった。 犬猫もヒトと同じく高齢化する昨今、健康問題にトラブルが生じがちで、こうした類のものが参入してきても何ら不思議はないだろう。
ペット自然派202312

※写真はイメージです(以下同)

今回お届けするのは、かつて一般的な医療に不安を覚え自然療法などにハマっていた女性の、ペット事情である。現在は一般的な暮らしを送っているものの、ペットかわいさから冷静さを失うと、昔の知識が顔を出すという。 50代の里中美香さん(仮名)は、腎臓(じんぞう)が悪い愛猫のために、パワーストーンを使った療法を試そうと考えた。

「琥珀(こはく)は肝臓のお薬です」

「うちの子、すごい病院嫌いなんですよ。だからひんぱんには動物病院へ連れていかれず、改善しているのかどうかわからなくて不安に……。そんなとき目にとまったのが、SNSでよく見かけていたパワーストーン屋です。私の周りで少し人気だったので、興味を持ちました」 パワーストーンを販売していた女性は自信に満ちあふれ、雑貨の販売だけでなく心理カウンセリングのようなサービスも行っていたという。美香さんは、悩める人たちに寄り添う、博識で温かい人柄にも魅力を感じた。 パワーストーンの販売を行っているという女性のブログを見てみると、なるほどこう書いてある。 「琥珀(こはく)は、昔は魔女のお薬として使われていた、肝臓のお薬です。ネコの肝臓の弱さをカバーできます」 一般的なパワーストーン販売のサイトを見ても、琥珀は腎臓や肝臓を活性化させるという説明がたくさん出てくる。「目にご利益のある神社・仏閣」といったノリの願掛け・お守りの類と考えればいいだろうか?

かつての沼体質がうずく

しかし美香さんは「治療効果」を求め、購入を検討した。石で体をマッサージしたり、首輪にチャームとしてぶら下げたりして使うらしい。 ペット自然派202312「私は昔、この手のものにさんざんハマって人間関係や職も手放してしまい、おかしな教祖を信じたことを後悔しています。だからもう手は出すまいと思っているのですが、ネコかわいさについ心が動いてしまった。根拠のないものも簡単に信じてしまう、沼体質は変わりませんね」 石に何かを期待するのは、これがはじめてではない。3.11の東日本大震災当時、「被爆に効果的」だと噂が流れた「薬石」なるものがあり美香さんも大量に取り寄せたという。
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自然派への傾倒を後悔しているけど…
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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