クマ駆除への抗議団体も応援、“過激自然派”にハマり友人・職も失った50代女性の後悔
「スピ寄りの知り合いに、『これで被爆を防いで!』と配って歩きましたね。知人が同じ石を『シニアペットの健康にオススメ』ってやっているのを最近見かけて、少しなつかしい気持ちになっちゃいました」
美香さんは10年以上前、医療への不信感や食の安全への疑問から、陰謀論の沼にハマった過去がある。そして「闇の権力に支配されてはいけない」と、一般的な経済活動から少しでも離れられるよう、自給自足の自然派生活を目指した。
スマホとPCだけは手放さないものの、電気を極力使わないように電子レンジや洗濯機、冷蔵庫を捨て、炭火で調理。暗くなったら極力寝る。
自家栽培や野草採取に精を出す。保存食である発酵食品にもハマる。服は手作り。体調を崩せば、植物を患部に張り付けたり砂に埋まったりなど自然療法を試す。その他、各種民間療法や自己啓発も、ひと通り経験した。
美香さんの言葉を借りると「過激自然派」である。
紆余曲折(うよきょくせつ)の末、現在はそうしたつながりとは縁をきり、再婚した夫とふたりでコツコツと働き、長年憧れだったネコとの暮らしを楽しんでいる。
ところがそのペットへの愛が、再び怪しげな世界を引き寄せるのだ。
「最近、クマの駆除に対して抗議をする森熊協会が何かと話題になるじゃないですか。恥ずかしながら、当時あの団体も応援していたんですよね。だからクマのニュースを目にすると、生き物に対する昔の思想が、次々思い出されてしまって。私の黒歴史です」
かつて所属していた陰謀論を軸とする自然派コミュニティでは、環境問題の延長として動物(ペット含む)に関してもよく論議されていた。そしてこんな主張に、心から同意していたそうだ。※カッコ内は著者の意見です。
・野生動物の駆除(くじょ)は人間の都合でしかなく、自然に反している。
(野生動物の被害者になっても、同じことが言えるのだろうか?)
・ペットのワクチンも人間同様に、製薬会社のビジネスでしかない。狂犬病ワクチンの義務は日本だけだからおかしい。
(それなら義務のない国でイヌとの暮らしを楽しんでいただければ……)
過激自然派をひと通り経験
美香さんの言葉を借りると「過激自然派」である。
紆余曲折(うよきょくせつ)の末、現在はそうしたつながりとは縁をきり、再婚した夫とふたりでコツコツと働き、長年憧れだったネコとの暮らしを楽しんでいる。
自然派の「ペット論」あるある
かつて所属していた陰謀論を軸とする自然派コミュニティでは、環境問題の延長として動物(ペット含む)に関してもよく論議されていた。そしてこんな主張に、心から同意していたそうだ。※カッコ内は著者の意見です。
・野生動物の駆除(くじょ)は人間の都合でしかなく、自然に反している。
(野生動物の被害者になっても、同じことが言えるのだろうか?)
・ペットのワクチンも人間同様に、製薬会社のビジネスでしかない。狂犬病ワクチンの義務は日本だけだからおかしい。
(それなら義務のない国でイヌとの暮らしを楽しんでいただければ……)
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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