「今日も死にたいなぁ」と思いながら16年。40歳女性がそれでも生きるための“日課”とは<漫画>
死にたい。ふとそう思ったことがある人は少なくないでしょう。でも常に、死という願望が寄り添っているとしたら……?
『死にたがりやさんの明日生きるため日記』(加藤かと著、オーバーラップ刊、2025年12月)は、20代から40歳の現在まで、希死念慮(死にたいという想い)とともに生きる女性の物語。コミックエッセイ描き方講座グランプリを受賞した漫画家、加藤かとさんの実録です。

今作の主人公、日向ニジコが希死念慮を抱えるようになったのは、母親からの「あんたなんか産まなければよかった」という言葉が、ひとつの引き金でした。生みの母、自身の原点ともいうべき人から、存在を全否定されたのです。さらに、恋人が自死してしまいます。そしてニジコの、「あっという間に死ねる方法」を夢想しながら生き続ける日々がはじまったのです。
ニジコは40歳の漫画家。家族愛にあふれた夫・タイヨウと、娘のミライ、息子のゲンキ、3匹の猫と暮らしています。穏やかな生活を送りながら、今朝もニジコは息を吸うように、「死にたいなぁ」とつぶやきます。そんなニジコを横目で笑うのが、きっしーです。
きっしーとは、ニジコが作り上げた、想像上の希死念慮キャラ。花の形をした小さな黒い雲のようなきっしーは、ニジコを常に死へと誘惑します。<卵に入ったまま蛇に丸のみされる><天国直行のトイレで流される>等、ニジコの死の妄想を「甘い」と却下したり、小馬鹿にしたりするのです。
母親から拒絶され、オーバードーズの経験もあるニジコは、全世界から必要とされていない不安と苦しさを、拭い去ることができません。やさしい夫と子供達に囲まれてもなお、死にとりつかれてしまうのは、一体なぜなのでしょうか。

それでも生きていくために


