おじさんと25歳女子のドロ沼不倫の“衝撃の結末”。すべてを一身に背負ったのは|ドラマ『泥濘の食卓』
吉沢悠がとんでもなく最低な不倫夫を演じ、齊藤京子が異常な愛情で“パラサイト不倫”の恐怖を増幅させる。
毎週土曜日よる11時30分から放送された『泥濘の食卓』(テレビ朝日)がついに最終話を迎えた。1時間に拡大された放送回の怒涛の展開とは……。
「イケメンとドラマ」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、“映画のような見ごたえ”と思った本作最終話を解説する。
“パラサイト不倫”の恐怖が全話、全編にわたって連鎖し続けた本作は、最終話ともなると冒頭から怒涛の畳み掛け方である。しかも放送時間が1時間に大幅拡大され、念には念を入れる感じだ。
第8話ラスト、夫・那須川夏生(吉沢悠)の不倫に気づいたふみこ(戸田菜穂)が、高校生の息子・ハルキ(櫻井海音)に、相手は誰なのかと聞く。ハルキは思わずその場に崩折れる。
夏生が店長のスーパー「すずらん」の元店員・捻木深愛(齊藤京子)であることを白状する。ハルキの震える声色から事態の深刻さは嫌というほど伝わるのだが、もうひとりこの不倫に首を突っ込む人物がいる。
深愛の母・美幸(筒井真理子)だ。心を病んだふみこの尋ね方も怖いが、この美幸の詰め寄り方はもっと強烈。娘の身体を揺すぶり、恐喝でもするかのような勢いで相手の名前を吐かせようとする。
美幸の深愛に対する執拗な干渉は、娘に幸せになってもらいたいという願いである反面、ここまでくると恐怖以外のなにものでもない。パラサイト不倫の怖さは、那須川家だけでなく、捻木家にまで連鎖し、蝕んでいることだ。
ふみこの錯乱した姿があったかと思えば、直後には、美幸の怒号と狂乱が描かれる。戸田菜穂の病みから筒井真理子の怒りへ。ベテラン俳優の顔、顔、顔の連打が、最終話冒頭を緊迫感でつつむ。
怒涛に畳み掛けられる恐怖

ベテラン俳優の顔、顔、顔

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