
今さら同情の余地はない。不倫の事実は明るみになり、妻には愛想を尽かされる。ボロボロ状態の夏生が家に帰ってくる。
家では、支援団体を装いながらもこれまで精神サポートに努めてくれた深愛をふみこが呼んで、ハルキと食卓を囲む。
この食卓も風変わりな光景ではあるが、ふみこにとってはけじめなのだろう。そこへハルキがもっとも恐れている付きまといモンスターにして幼馴染の尾崎ちふゆ(原菜乃華)が乱入する。
深愛めがけて振り回した怨恨の包丁を引き受けたのは夏生だった。横腹を刺され、倒れ込む。「バチが当たったんだよなぁ」と彼は言う。因果応報の結末を見て、ふみこは「そうだよ」と答え、優しく微笑む。

深愛とハルキの姿はバス車内にあった。当てどもなく揺られる。本作はどう締めくくられるのか。深愛はハルキを途中で下ろす。
もう誰も傷つけたくない……。そう誓った彼女はパラサイト不倫の病根を断ち切るため、すべてを一身に背負った。ひとり虚ろな表情を浮かべる深愛を見て、まるで“映画のような見ごたえ”だなと思った。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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