メディアに引っ張りだこだった天才子役の“驚きの現在”。最新作で見せた特別な才能
アニメーションの世界は一見、現実とはほど遠いように感じる。でも実は、現実よりもずっとリアルな世界が広がっている。
そんなことを考えさせる映画『屋根裏のラジャー』が、2023年12月15日から全国公開されている。主演声優は寺田心。本作の彼の声を聞いたら、誰でもびっくりするのでは。
「イケメンと映画」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、豊かな中音域を持つ寺田心に導かれながら、本作の魅力を伝える。
スタジオポノック製作のアニメーション作品『屋根裏のラジャー』には、豊かな感性を持つ少女の元に、想像上の友達「イマジナリーフレンド(本作内ではイマジナリと呼称)」が登場する。
イマジナリーフレンドとは、一般に幼児期の子どもが空想する“架空の遊び相手”のことを指す。子どもにとっては実在しているかのような存在で、一緒に遊んだり、会話をしたりするのだが、成長と共に忘れられていく。
本作では、人間に忘れられたそのイマジナリたちが身を寄せ合って暮らす“イマジナリの町”が描かれる。
本作を知ったとき、まず気になったのは、主人公であるラジャーを声優として演じるのが、寺田心であることだった。
寺田と言えば、恐ろしいくらい折り目正しい姿でお茶の間に登場した天才子役。2011年、3歳で芸能活動を開始し、2015年にTOTOの便器「ネオレスト」のCMで“トイレに潜む菌”のキャラクターを演じ一躍注目を集めた。
当時、6~7歳くらいだったが、知らぬ間に現在15歳。本作共演の山田孝之とのインタビュー映像では、見事に大人びた寺田が、子役時代よりもちろん低い声になって、ハキハキと質問に答えていて、もうびっくり。
想像上の友達“イマジナリ”

見事に大人びた寺田心
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