「愛する娘が自分の子ではない」と知った夫。妻子の前で泣き崩れ…下した“決断”は|ドラマ『わたしの宝物』
夫以外の子を産み、夫には知らせずに夫とともに育てていく「托卵(たくらん)」を描いたドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題の作品を、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
それにしても登場人物が衝動的に行動しすぎていないか。もう一度、ゆっくり落ち着いて考えてみよう、あなたの言動が誰かの感情を煽っていないか……。ドラマ『わたしの宝物』の話である。
美羽(松本若菜)と宏樹(田中圭)夫妻は、娘の栞をふたりで手塩にかけて育てている。妻にモラハラをしていたときとはまったく異なり、「美羽に大事なものに気づかされた」宏樹は、ひょんなことから社内で昇進。それでも働き方は変えないと美羽に誓う。
美羽が親友の真琴(恒松祐里)の店を手伝って働きたいと言ったときも、「美羽にはやりたいことをやってほしい」と背中を押す。これ以上ないくらい、ふたりの関係はよくなっている。
そこに割り込んできたのが、美羽が親友だと思っている真琴だ。美羽と冬月(深澤辰哉)が抱き合っているところを見てしまった真琴は、そこから想像を巡らせる。自分は離婚したシングルマザー。夫はおむつひとつ取り替えてくれたことはなかったと、美羽と宏樹が栞を慈しむ様子を見ながら、嫉妬の感情を燃え上がらせていく。
店に美羽が仕事をしに来る日、真琴はわざわざ冬月を呼ぶ。冬月は、かつて真琴の店にフェアトレード商品を売り込みに来たことがあり、そのとき美羽と再会しているのだ。
真琴は「あること」を確かめたかった。やってきた美羽のベビーカーから栞を抱き上げる真琴。そして冬月に無理矢理、栞を抱かせようとする。とまどう冬月、顔がひきつっていく美羽。
「やめて!」と叫んだ美羽の声は、切羽詰まっていた。いつもなら、いろんな人に抱かせるのにと不満げに言う真琴の顔は、妙な勝利感に満ちていた。怖すぎる。正義感に酔うだけではなく、そこに嫉妬がからんだ上での人を試す行為。それをしれっとやりとげてしまう真琴が怖すぎた。
衝動的で危うい登場人物たち

“正義感に嫉妬が絡んだ行為”が怖すぎた

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