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女優?俳優?「女優でいいじゃん」室井滋が“呼び名問題”にあっさり答えるワケ

 女優として、作家として第一線で活躍を続けている室井滋さん。 室井滋『ゆうべのヒミツ』 2024年9月に上梓したエッセイ『ゆうべのヒミツ』(小学館)も重版が続いています。  本エッセイで「年を重ねたからこそ味わえる日々の愉しみ」を綴っている室井さんに、「中年期をどう過ごしてきたか」「キレイな肌や髪のヒミツは?」などを直撃。元気の源に迫りました。

「オバサン」「姉さん」「お母さん」、大人の女性の呼び方は難しい

――『ゆうべのヒミツ』を電車の中で読んでいたときに、前に立っていた小さな男の子が、帯に書かれていた“オバサン”という文字に反応して「オバサンだって」とつぶやいたんです。そしたら隣にいたお母さんが「ダメ! そういうこと言うの、やめなさい!」と注意しまして。 室井滋さん(以下、室井):注意する必要ないのにね。 ――その子は、オバサンの私がオバサンと書かれている本を読んでいるのが面白かったのかなと。私自身は別に気にならないんですけど。 室井:私もオバサンだからオバサンと呼ばれても、その辺はどうでもいいです。ただこの間、悪いことしちゃって。 知ってるお店の子がサイン会に来てくれたんです。若い子なんだけど、そのとき「何々ちゃん」と話しかけて来た女性がいて、つい「何々ちゃんのお母さま?」と聞いちゃったんです。言ったあとに、「そういえば、この女性もそのお店で見たことがある人だ。知り合いの方だな」と気づいたんですが。ものすごく申し訳なくなっちゃって。
室井滋『ゆうべのヒミツ』

室井滋『ゆうべのヒミツ』/小学館

――「誰々のお母さま?」と訊ねるのは問題ないんじゃないですか? 呼びかけに「そこのお母さん」みたいに言われるのは、抵抗ある人が多そうです。大人の女性の呼称は難しいですね。 室井:よく芸人さんとか、年齢関係なく「姉さん、姉さん」って呼びますよね。あれもマナーになってるんだろうと思いますけど、姉さんも、なんか“姐さん”みたいな感じがしちゃう(笑)。普段から仲良くしてる松本明子ちゃんは、私のこと「姉さん」って呼ぶけど。 ――松本明子さんがそう呼んでる様子が目に浮かびます。 室井:最初、「誰のこと言ってるの?」と思ってたら、私のことで。彼女は室井さんとは呼びませんね。親しみを込めて呼んでくれてるから、まあいいんだけど、「オバサン、おばちゃん」で私はいいかなぁ。たしかに女の人の呼び方問題は難しいかもね。

「女優」「俳優」、コンプラ問題からの呼び名の変化も

――室井さんは俳優と作家、両方で活躍しています。いま、「俳優」と言いましたけど、こちらも本書にも登場しますが、最近は「女優」「俳優」呼びに迷います。 室井:私なんかは本名が「滋」でしょ。女優って言ってもらわなかったら、私を男だと思ってる人もいたと思うんです。本を書くお仕事もしてますけど、実際、中には字面でしか私の名前を見ていなくて、「ずっと男だと思ってました」という読者からの手紙をもらったこともありますから。 室井滋『ゆうべのヒミツ』――室井さんは、呼ばれる当事者ですが、室井さん個人としては。 室井:女優でいいじゃんって思います。私は。今さら俳優って言われてもなぁと思うし。女優のほうが、女が優しいって書いて、響きもいいじゃん。 ほかの言動にしても、いまって、誰に気を使ってるのか分からないようなコンプラ問題がたくさんありますよね。私なんて、あちこちでしょっちゅう注意されちゃう(笑)。
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室井滋 著『ゆうべのヒミツ』は小学館より発売中

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