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今の時期にこそやっておくべきゴキブリ対策。家の中でつい見落としがちなのは…プロに取材

 いよいよ、春本番も目前。イベントの開催や春限定のスイーツ販売など楽しみなことが増え、ワクワクすることも多い季節です。一方で暖かくなると出てくる“虫”、とくに「ゴキブリの出現が心配」という人も多いかもしれません。  そこで創業150年余りの歴史を持ち、殺虫剤で知られるフマキラー株式会社で開発本部基礎科学研究部部長・主席研究員を務める虫博士・佐々木智基先生に詳しく話を聞きました。
佐々木智基先生

虫博士・佐々木智基先生(画像提供:フマキラー株式会社)

 佐々木先生は新商品開発のため虫の飼育や研究をおこなうとともに、人と虫との在り方についても追求。人の命と地球環境をみつめる情報発信もおこなっています。

春先は気づきにくいゴキブリの卵を掃除

――そろそろ「ゴキブリ」の出現が心配な季節に突入しましたね……。いまの時期だからやっておきたい駆除方法や対策などあれば教えてほしいです。 佐々木先生:掃除方法の前に、まずはおうちに出るゴキブリの種類や特徴についてお話させてください。  一般的なおうちに出るゴキブリの種類は、だいたい“クロゴキブリ”。このクロゴキブリは1年半~2年と非常に時間をかけて成長し、成虫になります。  そして成虫として出てくるのは夏場がほとんどで、そこから秋口にかけて卵を産むため、冬場や春先に見かけるのは卵。春先だと成長途中の小さい幼虫を見かけることもあります。 ――では、いまの時期は駆除に最適ということですか? 佐々木先生:放置すると餌を食べて大きくなってしまうので、いまのうちに駆除しておくといいですね。ただ、普通に生活をしていると卵には気づきにくいですし、見つけるのも至難のワザ。そのため冬場や春先は、「ゴキブリを見かけないから、対策しなくてもいいや」となってしまうことも多いです。 ――気づきにくいなら、駆除するのは難しそうですね……。 佐々木先生:そこで駆除するというよりは、掃除をすることで卵を減らすという方法がおすすめです。シンクや洗面台下にある収納、食器棚など、ちょっとジメっとした暗くて普段はあまり人が来ないところの隅や端に卵を産むことが多いので、冬場や春先はそういう場所を重点的に掃除するといいですよ。  ただ卵は排泄物などで固定されているので、素手で触ると不衛生。使い捨て手袋をして、ガムテープなど粘着性のあるものを使って掃除するのが清潔です。

幼虫・成虫のゴキブリ対策と駆除方法

――春先の幼虫や夏場に出現する成虫の対策や駆除方法についても教えてください。 佐々木先生:ゴキブリは外からやってくるので、自宅周辺の雑草を抜いたりベランダの物やゴミを片付けたりして、隠れ場所を少なくすることも対策のひとつです。  あとは、エサを減らすこと。調理器具や食器はすぐに洗い、残飯はニオイの出ない袋に入れて口を縛り、ラップをしたままの食べ物や開封済みのお菓子などは虫の動きが鈍くなる冷蔵庫へ片付けるようにしましょう。 ――ゴキブリの動きが活発になるのは何℃ぐらいからですか? 佐々木先生:虫が活発になるのは基本15~30℃ぐらいで、ゴキブリも同じ。エアコンなどで部屋の温度が上がると出てくることもありますが、温度が低くなる冬場や春先は、冷蔵庫の下など温かい場所でじっと過ごして越冬することが多いです。なので、冷蔵庫の下などもしっかりと掃除しておきたいですね。 ――冷蔵庫の下は掃除がしづらいです……。殺虫剤を振りかけておくだけではダメですか? 佐々木先生:冷蔵庫を動かさないと掃除が難しい場合はそのままスプレーしていただいても大丈夫ですが、ホコリがたくさんあると効果が半減する恐れもあります。噴射したスプレーが全体にいきわたるよう、まずはしっかりとホコリを取り除いてあげることが大切。  掃き掃除と拭き掃除をして、それからスプレーをします。動き回る幼虫や成虫には、置き型タイプの殺虫剤や粘着性のある捕獲器なども有効です。
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クロゴキブリの幼虫の見分け方と駆除方法
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