臨月が近づきお腹がだいぶ大きくなってからは少しマシになったものの、それでも実家の家事をしていたユミさん。そして出産予定日の10日前、いつ陣痛が来てもいいように準備をしていると義母がとんでもないことを言い出します。

「なんと明日から義母の親族に結婚の挨拶回りに行こうとのこと……。それも車で4時間以上かかる場所にですよ? これにはさすがの夫も反対しましたが、義母は『
行けるでしょ』『
出産前に挨拶しないってどういうつもり?』の一点張り。
結局、担当医師から『
無理に決まってるでしょう』と言ってもらってどうにか義母を説得したのですが、義母は納得いかない様子で『産まれたらすぐにでも行くから』と吐き捨てられましたね…」
それから約1週間後、ユミさんは無事に男の子を出産。子供が産まれてからは義母の嫌がらせも治まったといいますが……。

「でも、それも長くは続きませんでしたね。その後、20歳の義妹も授かり婚をして子供が産まれので、もうそっちの子にメロメロで(笑)。もちろん、うちの息子への愛情も変わらなかったのですが、私への当たりは出産前に戻っていました。
でも、いま思えば義母も早く結婚したから、当時38歳とすごく若かったんですよ。長男である夫のことを1番可愛がっていたので、息子を取られた嫉妬心から私に強く当たっていたんじゃないかとも思いますね。もし私も長男が22歳で結婚すると言い出したら、義母の気持ちも少し分かるかも……と思うんですよね」
現在は義実家の離れから引っ越し、電車で1時間ほど離れた新居で暮らしているユミさん。今では義母も落ち着き関係は良好になったといいますが、当時受けた仕打ちは今でも納得がいかないとか。どんなハラスメントでもそうですが、ハラスメントをする側は忘れていても受けた側はずっと覚えているものなのです。
<文/結城>
結城
男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:
@yuki55writer