冬ドラマ名作ベスト5。“バカリズム脚本”も秀逸だけど、“日曜劇場”超えたNo.1は
1月スタートの冬クールドラマの多くが最終回を迎えました。年間100本以上の国内ドラマをチェックするアラフォー筆者も、冬ドラマをなんとか全てチェック! なかでも個人的に「最後まで観てよかった」と思った作品5つをご紹介します。
※以下、各ドラマのネタバレを含みます。
まず、リピート視聴回数・満足値ともに高かったのが『ホットスポット』(日本テレビ系)です。主人公・清美(市川実日子)が働くビジネスホテルの同僚・高橋さん(角田晃広)が、ひょんなことから“宇宙人”だという正体を明かし……という展開でしたが、バカリズム氏の脚本らしく、フィクションのあり得なさ加減が今回も絶妙!
最終話が近づくにつれて“超能力者”や“未来人”までもが登場しました。「もはやファンタジーの世界!」と思うも、宇宙人の高橋さんを筆頭に、皆がどこにでもいそうな“普通の人”なのが、バカリズム脚本らしい。最後は、舞台となった富士浅田市の未来を守ろうと全員で一致団結する展開も秀逸でした。
普通の人たちがそれぞれの個性を生かし、助け合いながら自分たちの大切な日常を守る物語だったのです。何より圧倒的だったのは、『ブラッシュアップライフ』に続き健在だった人間味あるキャラクターたちによる会話劇。彼らの日常を永遠に観ていたいと思わせてくれる良作でした。地味に高橋さんロス!
深夜ドラマですが『晩餐ブルース』(テレビ東京系)には、毎週癒されました。テレビ局でドラマの監督という夢を叶えたものの消耗中の田窪優太(井之脇海)と、料理人としてレストランで働いていたが、ドロップアウトし人生休憩中の佐藤耕助(金子大地)。そんなふたりの高校時代の旧友で離婚の傷を抱える蒔田葵(草川拓弥)も加わり、晩ご飯を一緒に食べる「晩餐活動=晩活」をするという物語です。
飯テロを得意とするテレ東らしい“心温まるご飯”で、自分を癒してあげたくなる優しい作品だった本作。一方で、弱音を吐けない男性同士の交流が特徴的でした。生きづらさや弱さ、傷を抱えた女性が、食事や会話などを通じてケアし合う作品は多くありますが、男性同士の設定は珍しい。そしてこの作品が真の意味で癒しだと感じるのは、その弱さを否定することなく、鼓舞するでもないところです。男も女も関係なく「弱さを抱えたまま生きていい」そんなメッセージを受け取りました。
主演の井之脇・金子の繊細な演技も素晴らしく、何度ももらい泣き! 彼らの平穏な毎日を願わずにはいられません。
ホットスポット

画像:日本テレビ『ホットスポット』公式サイトより
晩餐ブルース

画像:テレ東・BSテレ東 7ch『晩餐ブルース』公式サイトより