今や、すっかり定着した感のある「大人女子」という言葉。「いつまでも自分を大好きでいるために、30歳を過ぎても女のコの気持ちを忘れない！」という女性が増えているのだ。30過ぎて女子もないだろ、と流してしまうなかれ。“自分大好き”を公言し、“女子”であることに執着する30代――ファッションから恋愛観まで、摩訶不思議な“大人女子”ワールドの実態を探ってみた！ 　2～3年前から、やたら使われ始めた「大人女子」「大人かわいい」という言葉。当時、アメリカのドラマ『SEX AND THE CITY』(以下『SATC』)が日本でも大ブームになっていて、ニューヨークの恋多きアラフォーたちのライフスタイルに憧れる女子が続出したものだ。そんな「大人女子・第一世代」たちの「女子会」に、筆者(28歳・♀)が潜入してみた。 　のっけから「私たちの輝かしい未来と美貌に乾杯！」という音頭にドン引きしつつ、アラフォー“ガールズトーク”に耳を傾ける。「会社にすっごい仲のいいヒトがいて、よく一緒に飲みに行くんだけど、手ェ出してこないんだよね。ゲイかな!?」(38歳・事務)って……“自分に手を出してこない男は全員ゲイ”理論だ！ 　銀行勤務、39歳のリカさん(仮名)は「彼とはもう15年くらい付き合ってて、何もかもわかり合えてる感じ」なのだとか。「じゃあ何で結婚しないんですか？」と地雷を踏んでみると、「結婚とかカタチに振り回されるのって古いじゃない？　何で結婚しないの？とか言われるから、日本は生きづらい！NYならアラフォーでも自由に生きていけるのに。あ～、早くNYに移住したい！」との至言も。 　自分を信じて譲らない強さと、夢見がちパワーに完敗！ 真っ昼間からものすごい勢いでビールのピッチャーを飲み干すガールたちは、2次会に消えて行ったのでした。 【ガールズトーク】 ガールとは言えない年齢の女性たちがカフェや飲み屋に集まって繰り広げるあられもない猥談のこと。関連用語に「女子会」。誰に聞かれるわけでもないのに「自分たちは女のコ」だというアピールにぬかりなし 【I love me more.】 『SATC』に登場する「アナタのことは愛しているけど、自分のことがもっと好きなの」という名言。拡大解釈されて、30代女子の自分大好きジャイアニズムをいたずらに助長している 【試写会・発表会】 映画の試写会、化粧品などの発表会はセレブ気分を味わいたい自分大好き女子の大好物なので、ウェブやはがきでせっせと応募。「今日は××の発表会でサンプルをいただいちゃいました！」とブログやツイッターでアピールしてくれて、それを読んだ人が商品を買ってくれたりするので、企業にとっては最高のお客さま 【くしゃ笑顔】 30代大人女子の教祖・梨花が発明した“女子感”を演出するナチュラル笑顔。両透に手をあて、くしゃおじさんのように顔を崩して笑顔を作り、すかさず写真に収める。素人の大人女子には結構ハードルが高い技なので挑戦する際は細心の注意が必要 【六本木】 バブル時代の話だろ！と思うなかれ、自分大好き女子の聖地。“いくつになってもお姫様扱いしてほしい”願望を叶えてくれる日本人はいないと悟り、外国人バーに繰り出す 【自分の名前のネックレス】 “自分のことを大好きになるために”名前をかたどってある。『SATC』で登場して一躍人気に。昔、露店で売ってるのをよく見たかも！ 【オフィスでもパーティ仕様】 たとえばチュチュスカートというバレリーナのようなスカート。志村けんの白鳥から首を取ったヤツ 【やたら高いクツ】 「安いクツを履くなら死んだほうがマシ！」と、ハリウッドセレブさながらに10万円の靴を買い漁る。家賃より高いけど、大丈夫？ 【明るい髪色】 自分史上最高綺麗だった20代で時が止まっているせいか、年々金髪に近づいている。大阪のおばちゃんが年々派手になっていく感じか？ 【ショートパンツ】 やたら凝った模様のレギンスと合わせたり、時にはナマ脚露出も。ヤセて、20代より脚線は綺麗だったりするが、膝まわりには年齢が 【夏でもブーツ】 流行は先取りが基本なので、夏場にブーツ、冬場にサンダルは常識。「暑そうだね」とか「寒そうだね」は、彼女たちには褒め言葉 イラスト／ただりえこ ― 30代［自分大好き女子］の暴走恋愛【1】 ―