女性に優しい味わい!今注目の「シングルグレーンウイスキー」とは?
ウイスキーというと、辛くて強い酒というイメージはないですか? そんなイメージを覆すようなウイスキーが、最近注目を集めています。それがシングルグレーンウイスキー。グレーンだけでできたウイスキーです。
そもそもグレーンとはなんでしょう? それには少しウイスキーについて説明しなければなりません。
ウイスキーには、モルトウイスキーと、グレーンウイスキーと、ブレンデッドウイスキーの3種類があります。
モルトウイスキーは、麦芽と呼ばれる発芽した麦を、ピートという燃料で燻して乾燥させることで、独特のスモーキーフレーバーがつきます。これをもろみにして発酵させ、単式蒸留器で2回以上蒸溜し、樽で寝かせたウイスキーのことです。味わいは個性的でしっかりとしています。
一方グレーンウイスキーとは、トウモロコシなどの穀類に麦芽を10%程度混ぜた原料を発酵させ、そのもろみを連続式蒸留器で蒸溜し、樽で寝かせたものです。モルトウイスキーに比べ、軽やかな味わいになります。
通常ウイスキーと呼ばれているものは、このモルトとグレーンをブレンドしてつくられています。それがブレンデッドウイスキーです。単一の蒸留所のモルトだけでできたウイスキーをシングルモルト、単一の蒸留所のグレーンだけでできたウイスキーをシングルグレーンといいます。
シングルモルトウイスキーは、その個性を楽しむマニアがいるほどポピュラーですが、シングルグレーンウイスキーは数が少なく、スコットランドにはブラックバレルとキャメロンブリッジという2つの銘柄があるそうですが、私は飲んだことがありません。
ところが最近日本のウイスキーメーカーが、相次いでシングルグレーンウイスキーを発売しています。
キリンディスティラリーの27年ものシングルグレーンウイスキーは、富士御殿場蒸留所のみで販売されていている稀少品。独自のバッチ式蒸留器を用いて蒸溜したシングルグレーンは、蜂蜜のように甘くなめらか。驚きの旨さです。
また、ニッカウヰスキーの「カフェグレーン」は、カフェスチルと呼ばれるカフェ式連続蒸留器を使用しているため、原料本来の甘さが際立つ逸品。モルトウイスキーのような重さや辛さはなく、軽やかで飲みやすいのが特徴です。
最も身近なシングルグレーンウイスキーは、CMでおなじみのサントリー「知多」ではないでしょうか。
グレーンウイスキーをつくっている知多蒸留所の名を冠し、クリーン、ミディアム、ヘビーとつくり分けられたグレーンウイスキーをミックスしています。飲み方はハイボールがおすすめで、清々しく優しい香りとほのかな甘みは、まさに女性向きの味わいです。
<TEXT/酔っぱライター・江口まゆみ http://www.yoppawriter.com/>
シングルグレーンって何?

モルトウイスキーより軽やかで飲みやすい



江口まゆみさん