元東大総長のドエロ小説に大笑い。蓮實重彦「伯爵夫人」に学ぶ熟女のいたずら
第29回三島由紀夫賞を受賞した、蓮實重彦氏(はすみ・しげひこ、80歳)の小説「伯爵夫人」が大変な話題となっています。
人を食ったような記者会見でのやり取りは、ついにワイドショーでも取り上げられました。掲載された文芸誌『新潮』4月号は軒並み品切れで、6月22日発売予定の単行本は早くも大ヒットの予感。
でも、その具体的な内容はほとんどメディアで紹介されていません。
「内容がポルノなので、ここでの紹介は大変むつかしい。(中略)書きつけられる単語のレベルで、この小説は徹底的にはしたなく、いやらしい」(東京新聞3月31日【文芸時評】佐々木敦)とのことで、話の導入が紹介されるのみ。
では、どんな話かというと、時は太平洋戦争開戦前夜の日本。帝大受験を控えた童貞の二朗が、同居する「伯爵夫人」と呼ばれる女性に誘われるがまま、ホテルへと入り込む。そこからエロに沸き立つ二朗の妄想がフル稼働し、同時に「伯爵夫人」の素性がだんだんと明らかになっていく、といった具合。
もちろん、元東大総長でフランス文学者で映画評論のドン(?)による作品ですから、随所に仕込まれた小ネタや、隠れた寓意が気になるところ。ひとまずそれは高名な作家先生や批評家に任せるとして、女子SPA!的には、ほぼ全ページに出てくる高貴なエロ表現から、“正しいビッチとは何ぞや?”を考えてみたいと思います。
この作品では、男のモノひとつを取っても表現が使い分けられています。小春という小間使いの女が、その美しい形状と立派なサイズを称賛するときの言葉づかいの変化に注意してみてください。
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こうして間近から拝見するたびにつくづく思うのですが、二朗さまのおちんちんは、色あいといい、スマートな長さといい、先端のぶっきらぼうなふくらみ加減といい、あたりに匂いたつ香りといい、亡くなった大旦那さまのものとそっくり。
ご容貌からしてお祖父さまの血を受けついでおられる二朗さまのものは、いかにも魔羅という言葉にふさわしい凛々しい気品をたたえておられるので、思わず見とれてしまいます。
(『新潮』P53、改行・太字は女子SPA! 以下同)
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たかが、棒一本の話ですが、見れば見るほど「魔羅」と言わなければ済まない気がしてくる。それにしても、部屋中に充満する魔羅の香りとは、どんなものでしょう。
ともあれ、「うっわ、でっけ。マジ入んなくね?」などと言うよりも、よほど畏れと憧れが伝わってくる言い回しではないでしょうか。また別のところでは、「尊いもの」という表現もあり、慈しみ口にふくんでじっくりと味わう光景が浮かんできます。
NGワード連発で引用できない!?

(1)男のモノを言い表すお作法

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『伯爵夫人』 おそるべき戦場は寝台の上にある――。エロスとスリルの往還で深さを増す物語。東大元総長が意を決して書き上げた、衝撃の長篇小説。 ![]() |