元東大総長のドエロ小説に大笑い。蓮實重彦「伯爵夫人」に学ぶ熟女のいたずら
(2)男にお仕置きをするお作法
しかし二朗は童貞。形と大きさは見事でも、まだコントロールできずメルトダウンすることしばしば。女性の肌の柔らかさにたかぶり、ズボンをはいたままイッてしまったことがバレると、「伯爵夫人」は態度を一変させ、こうまくしたてます。
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愛撫のまねごとみたいなあやうい指先をあたいの腰のまわりに這いまわせるばかりで接吻のそぶりさえ見せず、まだ使いものになるめえやたら青くせえ魔羅をおっ立ててひとり悦に入ってる始末。
(中略)
ましてや、あたいの熟れたまんこに滑りこませようとする気概もみなぎらせぬまんま、魔羅のさきからどばどばと精を洩らしてしまうとは、お前さん、いったいぜんたい、どんな了見をしとるんでがすか。
(P19)
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どうでしょう。早漏にも、色々なストーリーがあると痛感させられます。近頃では、暴発してしまった男性を責めないほうがいいとの話をよく耳にしますが、こうして一発ビンタを食らわすような芝居を打ってみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。
(3)男のモノを見下すお作法
時にちやほやされ、また時に教育的指導をされる二朗のイチモツ。でも、結局女にとって、そんなものは取るに足らないのだと、「伯爵夫人」は断じます。
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だって、百二十度でそそりたっていようが、九十度で佇立していようが、あんなもの、いったん女がからだの芯で受け入れてしまえば、どれもこれも同じですもの。
(中略)
「あんなもの」は長かろうが太かろうが、いったん出すべきものを出してしまえばあとはあえなく無条件降伏といった按配で、勝つのはいつだって「熟れたまんこ」の方。
(P73)
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よく“一回ヤッただけで彼氏ヅラしてんじゃねえよ”とかいうのを耳にしますが、さらに高いところから男を見下すぐらいの余裕がほしいところ。そのうえで、口では“どうか、どうか堪忍しておくんなまし”と男を悦ばせつつ、心の中で舌を出す。
「伯爵夫人」から正しいビッチ像を学んで、実戦に活かしてみてはいかがでしょうか。
<TEXT/比嘉静六> 1
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『伯爵夫人』 おそるべき戦場は寝台の上にある――。エロスとスリルの往還で深さを増す物語。東大元総長が意を決して書き上げた、衝撃の長篇小説。
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