●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」31 by小林直子●
梅雨の季節になると、何を着ていいのかまるでわかりません。雨用のおしゃれな服はどこに売っているのでしょうか?
気候変動の影響でしょうか。近年、梅雨の期間が長くなってきました。関東でいうと、去年は1か月半近くも梅雨でしたから、これはもうひとつの季節と考えていいでしょう。そこで困るのは衣服です。
洋服とはその字にあらわれているように、西洋の衣服ですから、梅雨という季節の対策はありません。ヨーロッパは湿度が低く、日本のように雨がスコールのように降るということもありませんから、日本の梅雨のような湿度、気温ともに高い季節に対応した衣服はないのです。ではどうしたらいいのか。

残念ながら、今のところはっきりとした正解はありません。日本で売られている衣服には、梅雨に対応するものが少なく、湿度と気温対策がなされていないので、この季節に適した服は皆無ではありませんが、まだまだ少ないのが現状です。
そんななか、だんだんと増えてきたのが
高機能素材を使った衣服です。湿度を通す透湿、すぐ乾く速乾、汗を素早く吸い取る吸汗など、それぞれ特性を持った化学繊維を使ったものが徐々に増えてきました。
しかし、増えたといっても、レインコートやインナーウエア、よくてシャツ程度で、衣服全体に及んでいるわけではありません。例えばデパートの婦人服売り場へ行ったとしても、レインコートを除いてはデザインが豊富とは言えず、選べるものは少ないでしょう。

ヘリーハンセン スカンザライト ジャケット(19,440円)画像:公式オンラインショップ
ですが、これらが充実している分野もあります。それは
スポーツとアウトドアのウエアです。こちらは昔から高機能素材が用いられたレインジャケット、インナー、Tシャツ、パンツなど、各種売られていて、色もスタイルも豊富です。最近はスポーツウエアもアウトドアウエアもデザインが進歩して、街着に通用するものが十分増えていますから、これらのなかから選ぶのもよいと思います。

モンベル マウンテンパーカー 画像:WEAR