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定番のグレーとベージュ。どっちを買えば、着まわしが簡単?

●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」34 by小林直子●

Q.グレーとベージュはどちらが簡単ですか?

 街でグレーとベージュをよく見かけるのですが、どちらの色が扱いやすいのでしょうか?

A.グレーのほうが簡単です

 ここで言う簡単は、どちらがより使えるか、コーディネートしやすいか、買いやすいか、ほかの色と合わせやすいか、などという意味でしょう。では順番に説明していきましょう。  グレーとベージュ、どちらが簡単かと聞かれれば、グレーのほうが簡単であると答えます。なぜなら、グレーは白と黒を混ぜてできた、ニュートラルな色だからです。絵具で色をつくる過程を思い出してみてください。
ハイゲージニットロングカーディガン

ハイゲージニットロングカーディガン(リエディ 2,498円)画像:WEAR

 もしグレーが絵具のセットになかったら、黒と白を混ぜ合わせてつくるでしょう? 白が多ければライトグレー、黒が多ければチャコールグレーなどとなっていきます。白、黒、そしてグレーもニュートラルな色なので何色とでも合わせられます。赤でも青でも黄でも緑でも、なんでも構いません。  一方、ベージュは絵具だと何色を混ぜてつくるでしょうか? 茶色に白でベージュになります。そして茶色は赤と緑を合わせればつくれたと思います(黄土色に近いベージュはそこに黄色を足します)。
ベージュカーディガン

上記と同じカーディガンのベージュバージョン 画像:WEAR

 生地の染料と絵具は同じではありませんが、色をつくるときにグレーよりベージュのほうが構成する色の要素が複雑ですよね。そのため、ベージュには赤みが強いもの、黄色みが強いもの、明るいもの、暗いものなどバリエーションが多くなります。つまり、何千種類ものベージュがあり、その数はグレーよりはるかに多いのです。

グレーは構成要素が単純

 グレーは構成要素が白と黒で単純ですから、ブランドAとブランドBのグレーを並べても、さほど違和感はありません。あるのは、暗いか、明るいかだけです。
グレー+グレー

グレー+グレー(トップス fifth 1,990円)画像:WEAR

 しかしベージュは、ブランドA、ブランドB、ブランドCのベージュすべてが似ているようで似ていないことがほとんどです。それがベージュは難しいとされる理由です。  ベージュ同士できれいなコーディネートをつくるためには、基本的には同ブランドのもので揃えないと合いません。例えばジャケットとスカートを別ブランドのベージュにすると、その色の合わない感じが逆に目立って、ずれた感じが何となく変に見えてしまいます。ですからベージュのアイテムを2点以上、組み合わせるときは注意が必要です。本当に合っているか、できれば太陽光の下で確かめましょう。同じベージュだと思っていたものでも、結構違う色みのことが多いでしょう。  そのほかの色についても、絵具では何色によって作れるか考えると、扱いが難しいかどうかわかります。たとえばネイビーは青+黒なので、そんなに難しくはありません。
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すでに持っているベージュ、何色と合わせるのがいい?
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