●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」36 by小林直子●
いい年の大人になったので、ジュエリーを買おうと思いますが、どういうものを買ったらいいのかよくわかりません。何か注意することはありますか?
A.シンボルやお守りになるようなものを買いましょう
20代後半になると、自分でジュエリーを買う方が多くなるようです。自分へのご褒美や何かの記念にという場合もあるでしょう。ファッション誌を見れば、素敵なジュエリーが数多く掲載されていて、目移りしてしまうのもわかります。ただ、やはり購入する際には注意が必要です。
ジュエリーを買うとき、それが一過性の、数年でしなくなってしまうものだとは考えないと思います。けれども、実際はそうではない方がたくさんいらっしゃいます。

私が多く見てきたのは、
40歳ぐらいの方が、たぶん2万~3万円で買ったようなネックレスを30本ぐらいと、指輪を20個ぐらい持っているケース。どれも本当に華奢で小さくて、半貴石とK14を使ったような、若いころなら手軽に使えるようなものばかりでした。
しかしこれらを40歳過ぎて身につけると、やはり何かおかしいのです。
華奢過ぎて、貫禄がなく、大人の女性にふさわしい感じがしないのです。そのことは御本人もおわかりのようで、私が“これを40歳過ぎても身につけるのかどうか”と聞くと、誰一人、イエスと答えた方はいらっしゃいませんでした。

一方、少数派ではありますが、30歳ぐらいでちょっと背伸びして
高価なジュエリーを1つだけ買った方々もいらっしゃいました。一人の方は、1カラットのダイヤモンドのネックレスを御徒町の宝石商から買ったそうですし、もう一人の方は、大きなダイヤのピアスを何かの記念に買ったとのこと。
その方々は、50歳近くなっても、その同じジュエリーを身につけています。ただしこういう方々は、たくさんジュエリーを持っているわけではありません。皆さん、気に入ったものを2つ、3つ程度所持しているだけです。

人生は選択です。どちらのコースも選べます。使うお金も大差ありません。
40歳過ぎたら身につけられないジュエリーをたくさん買うコースと、数は少ないけれども40歳過ぎても身につけられるジュエリーを買うコース。では、私はどちらをお勧めするかというと、数は少なくても、40歳過ぎて身につけられるものを買うコースです。