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「月経カップ」は米国で当たり前。ナプキンよりいいの?

日本ではタブー視される女性器のこと、アメリカでは…

授業風景 下着にシートを貼るだけのナプキンとは異なり、膣内にカップを自分で挿入するという点で、月経カップを使うためには膣内の構造を理解する必要が出てきます。でも、日本の一般的な性教育では詳しく教えられていません。アメリカでは若い人のあいだでもっと理解が進んでいるのでしょうか。 「アメリカでも子宮や膣といった女性の体に関して、さらには中絶やレイプ、トランスジェンダーについて比較的自由に考えを表現することに対して、時代と共にずいぶんオープンになってきていると感じます。それに悩みや苦しみを自分一人で抱え込まないでいられるように、さまざまな支援グループや施設団体なども充実してきています」

生理休暇に対する日米の違いは?

 では、生理に対する職場での理解はどうなのか。日本では生理休暇を設ける職場が少しずつ増えてきていますが、それでも女性としては肩身が狭かったり、恥ずかしかったり、毎月生理休暇をとることははばかられるのではないでしょうか。  しかし日本よりも生理に対してオープンなアメリカであれば、「職場によって状況は異なるかもしれませんが、生理の不快感や生理痛に対する職場での理解は得やすいかもしれない」と浅井さん。しかしその一方で、「生理を理由に仕事を休むとなると、男性と対等に仕事ができない人であるとみなされてしまう可能性があり、それを恐れて休暇をとらない女性は多いかもしれないですね」。 生理休暇に対する日米の違いは?

もっと体の声に耳を傾けて

 今回、生理や生理用品に対する日米での考え方の違いを聞いてわかったのは、自分の感じたことや思いを素直に言えるかどうか、が日本とアメリカでは異なるということ。  日本では「みんなと同じじゃないといけない」とか「人と違うことがあると悪く見られる」といった、同調圧力が強いと浅井さんは感じるそうです。 「自分の内なる声に耳を傾けて、これまで自分を縛ってきた従来の考えからもっと自由になれるように意識を向けていけば、社会は変わっていくと思います。タブーとされているようなことでもオープンに表現できて、人と人が本当につながっていけるようになれば素敵です」  毎月やってくる生理は確かに面倒なことかもしれないけれど、女性が自分の体と向き合う良い機会なのかもしれません。生理や生理用品について日本でも今後もっとオープンになり、さまざまある選択肢の中から、女性が自分の意思を持って選ぶことができるようになるといいですね。 ※2017年3~5月期の全国の薬局・スーパーなどにおける生理用品のシェア率(ウレコン調べ)。 <TEXT/佐藤まきこ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone
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