●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」44 by小林直子●
編み物が好きでいろいろなものを自分で編んで作ります。手作りでもおしゃれに見えますか? おしゃれに見えるコツとかありますか?
編み物をしたり、アクセサリーや服を自作する方は結構いらっしゃって、お悩みもいろいろうかがいます。多いのが、作るのは楽しいけれども、なかなかそれがおしゃれに見えない、または見えない気がするというお悩みです。
作ったものがおしゃれに見えるためには2つ条件があると思います。
まず1つは完成度が高いこと。当たり前ですが、あまりにも稚拙で、完成度が低いものはおしゃれに見えません。
そして2つ目の条件は、そのときの流行が手作りに適しているということです。流行は変化しますから、手作り風が格好いいときと、そうでないときがあります。

今年は刺繍やボヘミアン風が大流行 画像:WEAR(ブラウス URBAN RESEARCH ¥11,880)
例えば最近でしたら、2000年以降のタイトなシルエット、装飾のないスタイルが流行しているあいだは手作り風は格好よくありませんでした。しかしビッグシルエット、装飾過多の流れが主流になった今、
手作り風は流行しているのです。

クロシェトップス 画像:WEAR(FURFUR ¥16,200)
タイトなシルエットのときはハイゲージのニットばかりだったのが、今ではローゲージのもの、またはクロシェといって、かぎ針編みで編まれたものなど、数多く提案されていますし、刺繍やパッチワークといった、各種手仕事風のデザインも数多く出ています。
つまり、今は手作り派の皆さんには大変好ましいときなのです。
では手作りのものをおしゃれに見せるにはどうしたらいいでしょうか。まず前述した条件1はクリアしておきましょう。ある程度のレベルのものが作れるまでには上達してください。
次に何を作るかです。市販の編み物や手作りのための本を参考にするのはもちろん構いませんが、それらの本は必ずしも流行が反映されていません。どうせ自分で作るのですから、今一番格好いいものを作りたいわけです。ではどうするか。最新のコレクションを参考にするのです。
例えば2017年のプラダの秋冬コレクションを見てみましょう。ローゲージの長いマフラーを首に巻いていますね。これは編み物ができる人なら誰が見ても、自分でも作れる! と思えるしろものです。
まさにこのマフラーは、大したテクニックも必要なく、材料も入手可能で、作る時間もそんなにかからない、手作りに適した理想のマフラーです。