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アメリカの白人の“闇”を浮き彫りにした映画『グッド・タイム』

人種のるつぼ・クイーンズでは“白人特権”が崩壊

『グッド・タイム』より_4

『グッド・タイム』より

 一方、自分が暴行を加えた移民男性の家に押し入ると、移民男性のほうが白人の自分よりもはるかに経済的に恵まれた生活をしていることに愕然とするコニー。そして、罪の代償を考えず、衝動的に犯罪を重ねていきます。そんな刹那的なコニーの姿からは希望が見えないホワイトトラッシュの人生が浮き彫りに。  全米において統計的には黒人と白人の経済格差はまだまだあるのかもしれませんが、クイーンズでは白人=お金持ち、移民=貧乏、黒人=犯罪者といった単純な図式はもはや成り立たず、白人特権意識が崩壊しつつあることを本作は指摘しています。さらに、犯罪の加害者として描かれることが多い黒人が、この映画では被害者として描かれている点もおもしろい。  監督はクイーンズで生まれ育ったジョシュとベニー・サフディの兄弟。ベニーはコニーの弟役ニックを演じています。乱暴に動き回る映像、不気味な音、不完全な登場人物たち……なぜか人間の本能的な部分をザワザワッとさせてくれる本作。いわゆる娯楽映画ではありませんが、刺激が欲しい夜に、キケンを感じたい夜に、オススメです! 『グッド・タイム』、11月3日(祝・金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開 (C)2017 Hercules Film Investments, SARL <TEXT/此花さくや> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
此花わか
ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):@sakuya_kono
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