お受験セミナーにママ友を勧誘しまくる、やっかいな商法
今年も受験シーズンが近づいてきました。特に小中学校受験は、子供以上に母親が熱心になりすぎておかしくなってしまうことも……。
前回の「お受験ママ、ストレスで不倫に走る」に次いで、変な方向にいってしまったお受験ママの例を取材しました。

ノゾミさん(仮名33歳)は幼稚園児の子供を持つ主婦。結婚を機に、高級住宅地に引っ越しました。夫は税理士事務所の管理職をしており、裕福な家庭です。ところが、思わぬやっかいに巻き込まれたといいます。
「久しぶり! ○○町に引っ越したんでしょ? 今度会えない?」
ノゾミさんの携帯にメールが来たのは、昨年の春。子供が幼稚園に入る前年でした。
「メールを送ってきたのは中学の同級生、Y子でした。別の同級生から私の連絡先を聞いたと言っていました。Y子から連絡が来るのは卒業式以来でしたが、久しぶりに会う事になったんです」
以来、ノゾミさんとY子さんは時々会うように。Y子さんには小学生の娘がいました。
「Y子と再会した日、ダンナの仕事や住んでいる家、今私が行っている習い事について聞かれました。ママ友同士の会話ではよくある内容なので、私も普通に答えました。もしかしてこの頃から、Y子は私の家計事情をチェックしていたのかもしれません……」
Y子さんと会うようになり、しばらくしてからこんなメールが来ました。
「『来週、ノゾミの誕生日だよね? プレゼント用意したから会おうよ』と誘われたんです。『数回会っただけなのに、誕生日プレゼント?』とも思いましたが、特に疑う事なく会う約束をしました。
誕生日当日、Y子に指定された場所へ行くと、そこは貸し会議室。Y子からは『少し待っていて』とだけメールが来ました。よく分からないまま待っているうちに、なぜかセミナーが始まり、そこには講師としてY子が登場したのです」
セミナー内容は、子供の幼稚園や小学校のお受験をひかえた保護者向けの内容だったそうです。その後、呆気(あっけ)にとられたまま、ノゾミさんはカフェに連れて行かれました。
「Y子は、お受験に興味がないかと聞いてきました。私が『興味ないから』と断ると、『ママ友や習い事の友人でお受験をさせる人はいない?』、『もし、いたら私のセミナーを教えてあげて』と言ってきたんです。
この時、初めてY子が連絡を取ってきた真意に気づきましたね」
結局、誕生日プレゼントなど用意されていなく、ノゾミさんはこの時初めてダマされたのだと気付きました。そして、家に帰ったノゾミさんは、フェイスブックでY子さんの名前を検索すると――。
「Y子のプロフィールにはデカデカと幼稚園、小学校受験のセミナーの宣伝が載っていました。
後に同級生同士の集まりで知ったんですが、Y子の家は裕福というわけではないのに無理矢理、小学校受験をさせたそうです。その時、子供にはかなり厳しく教育したようで……。
子供がお受験に合格した事がY子の自信になったのか、以来セミナー講師を始めたそうです。今は学費のためなのか、複数の裕福そうな同級生に連絡を取り、勧誘しているそうです」
昨今、増えているお受験セミナー。無理な勧誘には注意が必要です……。
<TEXT/カワノアユミ>

元同級生から突然のメールが

自分のお受験セミナーに、ママ友を強引に勧誘
