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しっかりした娘よりダメ息子を溺愛する母。「私にだけお金をせびって来て…」

 成人してからも、母親との関係に悩まされる女性は多いようです。特に、地方では「男の子のほうを大事にする」という昔ながらの習慣が関係していることも…。
泣く娘

写真はイメージです(以下同じ)

 四国出身でデザイナーとして活躍中の斉藤裕美子さん(仮名・44歳)は、長年に渡って母親との関係がギクシャクしています。 「母は小さい頃から3歳上の兄ばかり可愛がっていました」と裕美子さん。小さい頃の思い出は、兄の自慢話を近所の人に露骨に話していたシーンだそうです。 「兄は容貌も性格も母親にそっくりでした。人あたりが良く社交的。私はその反対で、無口で慎重な性格でした。そんな私を、母親は可愛がるそぶりをしながら、陰では『暗い』と罵っていたんです」

実家への仕送りが、兄の尻ぬぐいに使われていた

 母親の冷たい視線を避けるように、国立大学に合格して上京すると念願の一人暮らしを始めた裕美子さん。  一方、兄は専門学校に進学して地元で就職をしますが、給料を趣味の車に費やし、借金までつくるほどに。また女遊びも派手で、近所でも放蕩息子と評判だったそうです。 放蕩息子「広告代理店に就職してから、結婚までの7年間、毎月実家に5万円を仕送りしていました。病気がちの父親のことが心配で、美味しいものを食べてもらいたいと思って」  ところが裕美子さんの仕送りに母親からはお礼の言葉もなく、しかも仕送りを兄の借金の返済に当てていたのです。7年間知らずにいた裕美子さんは、兄の尻ぬぐいをさせられていたことを知ってがく然としたそうです。 「私の結婚から一年後、兄はデキ婚をして、実家に寄り付かなくなりました。兄のお嫁さんがしっかりした人で、兄は真面目に働くようになったのです」  兄嫁はウラオモテのある母親の性格を見抜き、また兄を溺愛していることを察したようでした。その上で、母を立てながらも、兄が母親を忘れるくらい自分の子供に夢中な“子煩悩パパ”になるよう仕向けたそうです。

実家への仕送りを断ったら、夫を“役立たず”扱い

「すると母は、矛先を私に向けてきました」  病弱な父親の介護を理由にして、母親は仕送りをせがむようになりましたが、裕美子さんは「夫の収入が不安定だから」とやんわりと断っていました。  というのも、その頃、裕美子さんの夫は勤め先の倒産をきっかけに、念願だったクリエーターに転向していたから。すると母親は裕美子さんの夫を「役立たず」とののしったそうです。 「私だけでなく夫のことも。ひどい…」 母娘関係 母親とは距離を置くと決めた裕美子さんは、夫を支えながら必死に働きます。  そして結婚10年目の39歳の時に「最後のチャンスかもしれない」と不妊治療を決意。会社の早期退職制度を使って、退職金を不妊治療にあてたのです。結果、治療開始から8か月目で念願かなって妊娠に成功します。  でも裕美子さんは出産までは、大きな心配ごとがありました。 「毒親に育てられた私が、ちゃんと子育てできるかという不安が始終つきまとっていました。不妊治療に協力してくれる夫の手前、打ち明けられず、一人で悩みましたね」  そして、出産の日がやってきました。産んだわが子の顔を見た途端に「可愛くて可愛くて、一生の宝物」と感激し、それからは、愛する子供の成長を楽しんでいるとのこと。  ところが裕美子さんの母親は、その子を決して抱こうとしなかったそうです。
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決して息子を抱こうとしない母。兄の息子は可愛がるのに…
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