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「人を好きになる才能」の伸ばし方|性活コラム

AV男優・森林原人の性活コラム 第39回】 経験人数延べ9,000人、出演本数10,000本以上、下は18歳から上は69歳まで、性別の垣根を越えてさまざまなエッチを経験するAV男優・森林原人さんが、性にまつわるあれこれについて語ります。

世界には「セックスは別物」という考え方がある

性や人間の本質に迫りたい ついこの間から、僕が個人的に話を聞きたいと思っている方にお願いをし、対談をしていただく「この人の話を聞いてみたい~人間の深淵を探して~」というシリーズを始めました。  これは、常日頃から性行為としてのセックスを始めとする性のことばかり考えている僕が、視野を広げ、考えを深めるために自ら企画したものです。  この女子SPA!での連載も3年以上続けさせていただき、いろいろな相談に答え、僕なりの考え方を提示してきました。どの回もそうなのですが、自分の体験に基づいた話をしています。人の何十倍もの性体験をしてきましたが、それだけを拠り所にしていては視野も考え方も偏るんじゃないかと感じるようになってきました。  なので、僕とは違う角度から性や人間の本質について考えている方に話を聞いてみたいと思うようになったのです。  1回目に登場していただいたのは、宗教人類学者の植島啓司先生です。先生は40年以上ものあいだ世界各地を回り、様々な土地や文化の研究をなさっています。先生の『官能教育』(幻冬舎新書)を拝読して一方的には存じ上げていたのですが、偶然にも先生をご紹介してくれる知人がいて、ご縁をつないでいただきました。 官能教育 先生の物事に対する姿勢は一貫しており、既存の固定観念や社会の約束事を疑い、物事の本質を見極めようとなさっています。その考え方に感銘を受け、いっぱいお話を聞かせていただきました。  まず、恋愛と結婚とセックスを三位一体のセットで考える現代の日本の価値観は、世界的、歴史的に見て、完成型となっているわけではない、ということ。つまり他のいろいろなかたちが世界中にあるということです。  他の国といえども、同じ時代の人間が、恋愛と結婚とセックスを別物として考えているのを具体例を挙げて説明していただきました。それはそれはものすごい説得力です。  三位一体の考えと一番かけ離れていたのは、西太平洋のウリシ島に住むミクロネシアの漁民です。祭りの際に男女が連れ立って森にピクニックに出かけ、くつろいでセックスをするのですが、このピクニックは夫婦や恋人で行ってはならず、男女の数が揃わない場合はセックスの相手を共有することもあるのです。 ピクニック もう、不倫したのがバレて袋叩きにあっている芸能人は何のか、ちゃんちゃらおかしいです。そのピクニックに行きたくって仕方ありません……。

「友達以上恋人未満」という領域は実は魅力的

 それから、先生の話で特に興味を惹かれたキラーワードがあります。英語の「フラート(flirt)」という言葉で、日本語に同じ意味の言葉はありません。つまり日本には存在しない価値観を意味しています。どういう意味かというと、相手を誘ったり触ったりいちゃいちゃすることで、恋愛の前段階の親しい行為のことです。 「友達以上恋人未満」という領域は実は魅力的 日本人は親しい間柄を、恋人か友達にいずれかにはっきりさせたがりますが、相手を好きになるところから恋愛に至るまでの間にはとても大きな世界があり、「友達以上恋人未満」という中間領域が、実はすごく魅力的な領域だと先生はおっしゃるのです。  その領域の魅力は、「恋が成就しなければそれまでの全てが無駄かと思ってしまうが、その途中にも大きな幸せがあると考えると、ずっと幸福な気持ちになれる」ということです。これは先生の知り合いの女性の言葉なのですが、皆さんもピンと来ませんか? 恋愛に結果を求めなければ、恋愛になるまでも恋愛中と同じぐらい幸せになれるのです。両思いになるだけが、セックスだけが、恋愛の醍醐味ではないんです。  どうしても資本主義的考えで、成果を求め結果を欲しがってしまいますが、それを止めてみませんか? 「セックスだけが目的な男女の関係というのがちょっとおかしいんじゃないか」と、先生は提案してくれたのです。
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女の人にとって男は4タイプいる
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経験人数10,000人超のトップ男優である森林原人が、セックスに悩める一般女性の質問に愛をもって答える。「イク感覚がわからない」「彼がゴムを付けてくれない」「“30代処女”は重い?」etc.

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