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ハンデのある子は幼稚園に入れるか?という問題<発達障害のリアル>

ぽんちゃんはおしゃべりができない Vol.8】  小学生5年生の娘と小学2年生の息子を持つシングルマザーの筆者が、発達障がいの息子・ぽんちゃんとのドタバタな日々を綴ります。 前回のあらすじ> 半年待ちの療育センターについに訪れた筆者。病院では「障害の一つ」と言われたぽんちゃんの人懐っこさが、ここではぽんちゃんの「魅力」と捉えられたことをありがたく思うのだった。

ぽんちゃんの初めてのお友達

 ぽんちゃんが療育センターに通い始めると、同じ時間に会う親子のお友達ができ始めた。  ぽんちゃんが通っていた療育センターでは、作業療法、言語療法、両方ともマンツーマンで行ってくれるため、療育が始まる少し前の数分しかほかの子供たちと接する時間はないのだが、その男の子はいつも同じ時間に、同じベンチで待っていた。 ぽんちゃんはおしゃべりができない Vol.8 その子は、小学生と見間違えるくらい大きい。でも、ぽんちゃんより一つ上の4歳なのだ。そのお母さんの話を聞くと、その子は身体はとても大きいけれど、知能の遅れがあるから、すべてがアンバランスなのだと話してくれた。ぽんちゃんのように、3歳なのにまだ1歳ちょっとにしか見られない、言葉の出ない小さな子もいれば、4歳なのに7歳くらいに見えて、でも知能が2歳程度という子もいる。本当にバラバラで、まさにこれが“個性”なのだ。  でも、その子も驚くほど人懐っこく、ぽんちゃんと会うと「ぽんちゃんきたね~! ぽんちゃん~!」と話しかけてくれる。ぽんちゃんも嬉しそうに、楽しそうにじゃれあっている。この風景はとても微笑ましくて、すごくすごく、あたたかかった。

「ほかの子と同じことができなくても保育園に通えるの?」

 その子はすでに4歳のため、幼稚園の制服を着ている。大きいからこそ、とっても大人びて見えて、とってもかわいい。水兵さんのような制服が、その子にとっても似合う。その制服姿に「かわいいですね」とお母さんに言うと、「でしょ」とはにかんだ後、「そういえば、ぽんちゃんはどこの幼稚園に入るの?」と聞かれた。  我が家は0歳の時から保育園に通っているため、その旨を話すと、そのお母さんは「保育園って、ほかの子と同じことができない、療育に通っている子も見てくれるの?」と聞いてきたのだ。  私は一瞬、「え?」と驚いた。ハンデがある子が、普通に幼稚園や保育園に通えないということがあるとは思ってもいなかったのだ。 。ハンデがある子が、普通に幼稚園や保育園に通えないということがあるとは思ってもいなかった「え、通えないってことがあるんですか?」と逆に聞いてみると、そのお母さんは、いろんな幼稚園に断られ、最終的に私立の遠くにある今通っている幼稚園を見つけたという。そのために引っ越しもしたそうだ。  ぽんちゃんが通っていた保育園は、発達の遅れがある子や障害がある子には加配の先生をつけ、預かってくれるシステムになっていたので、それが普通だと思っていた。私が住んでいる場所の認可保育園はとても寛容で、同じ保育園には脳性麻痺で自分では動けない子や、ダウン症の子供もクラスメイトとして一緒に在籍していたのだ。  でも、幼稚園やほかの保育園ではきっと、システムもいろいろと違うのだろう。たしかに、医療行為が必要でなくても、ハンデがある子や、ほかの子と発達のスピードが違う子を受け入れるのは難しいのは、わかる。パニックが起きたり、癇癪が大きすぎたりすれば、ほかの子に影響がでてしまうからこそ、どうしてもハードルが高くなってしまう。  でも……とごちゃごちゃ考えている私の困り顔に気づいたのか、「でも、いまの幼稚園はすごく過ごしやすいから、結果オーライなの」とそのお母さんはほほ笑んでくれた。
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道は必ずある。でもそれを見つけるのは親
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