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3歳児検診で目の当たりにした、他の子との違い<発達障害のリアル>

ぽんちゃんはおしゃべりができない Vol.6】  小学生5年生の娘と小学2年生の息子を持つシングルマザーの筆者が、発達障がいの息子・ぽんちゃんとのドタバタな日々を綴ります。 前回のあらすじ> 2歳になっても話さないぽんちゃんが“みんなと違う”とわかってから先のことを考えて落ち込んでいた筆者。でも、わからないなら、少しでも前向きになれるよう、子供たちを毎日楽しませようと心に決めたのだった。

3歳児検診で目の当たりにした、ぽんちゃんと他の子の違い

 幼少期の子どもには、定期的に検診がある。1カ月検診、3カ月検診、1歳検診、そして、3歳児検診。1歳児検診までは、発達の遅い早いは個人差がとても大きい。ここで不安になったとしても、徐々に解消していくことのほうが多いだろう。多くの子どもはたくさん言葉を話し、トイレもほぼ完了し、お母さんとの意思疎通もしっかりとできている。だからこそ、この3歳児検診は、明らかにぽんちゃんが他の子と違うことを目の当たりにする。
※写真はイメージです

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 身長、体重など健康診断のようなものが終わってから、保健士さんとの問診が始まり、今までのことをすべて洗いざらい聞かれるのだ。この頃には、行きつけの小児科、大きな病院などで話しまくっているので、滑らかに言葉がでてくる。人間、慣れると物語のようにその状況を話せるようになるものだ。最初は泣きながら話していたことも、この頃には「うちの子、全然話せません!」くらいの勢いで話していた。人間、慣れるってすごいな。  検診で用意されたのは、イラストを見せて条件に合ったものに指を差す「指差し」と、積み木。ほかの子は「猫はどれ?」「車はどれ?」という質問にすいすいと答えていく。たしかに、娘のみーちゃんもすいすいと答えていた。「猫はどれ?」という質問に、大きな声で「ぷー太郎」と我が家の猫の名前を答えていたくらいだ。あの時ばかりは猫の名前をもっとおしゃれにしておけばよかったと思った。  でも、ぽんちゃんは、何を言われてもニコニコと笑顔は返すが、紙の上にある動物に指を差そうともしない。なにかを指さすという概念が、まだぽんちゃんにはないのだ。ちなみに、赤子は3カ月で自分の手の存在に気づくという。人間の神秘ってすごい。それまで気づいてないこともすごい。  さらに、「積み木を重ねて」と保健士さんが積み木を渡すと、その積み木をどんどん投げては笑っている。息子は、物も積めなければ、指も指せない。ただ、物を投げる力だけはすごいのだ。肩が半端なく強い肩が強いぽんんちゃん ちなみに、おしっこをしたあとのパンパンになったおむつを脱ぎだしたかと思えば、振りかぶって投げてくる。ゴリラか? ゴリラなのか? その時速は相当速く、当たったら痛い。  すごい剣幕で「おむつは投げるものじゃない!」と叱ると、一気に顔をくしゃくしゃにして泣きまねをし、ひざに駆け寄って抱き着いてくる。そんなことされたらもう許すしかない。だって! かわいいんだもん! 当時5歳だった娘はこの繰り返しを見て「どうせかわいいから許すんでしょ?」と斜め上から見ていた。そうだ。かわいいは正義だ。  しかし、この場は公的な場所。私は保健士さんに何度も謝りながらも「積み木は練習するものなのか? それとも、だれもが自然とできるものなのか?」と考えるも、答えはわからない。2歳上のみーちゃんは教えずとも、なんでもできていた。トイレを覚えるのも早かったし、積み木を重ねるのもすぐにできた。それが当たり前だと思っていた。でも、ぽんちゃんにとって、それは決して当たり前ではないのだ
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「療育センター」は“違う世界”だと思っていた
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