「食物繊維も水分も摂ってるのにウンチが出ない!」便秘対策のカン違い。大切な“2つの要素”を見落としてない?
「食物繊維をたっぷり摂ってるのに便通が良くならない……」なんて思ったことはありませんか? たしかに「食物繊維が便秘に効く」はよく言われることですが、その常識、実はちょっとした落とし穴かもしれません……!
実は、便秘の原因は「食物繊維」や「水分」の不足だけではないのです! 今日は、勘違いしやすい落とし穴と、その他の重要な便秘解消法について、研究結果に基づいて解説していきます。ぜひ最後までご覧くださいね!
「便秘解消には食物繊維が必須!」とよく聞きますが、実は、その摂り方次第で逆効果になることもあるんです。
そもそも、食物繊維には色々な種類があります。具体的には、「繊維の大きさ」「水溶性か不溶性か」「粘性は有るか」「発酵性は有るか」という4つの指標で分類できるのです。
特に要注意なのは、繊維が大きくて水に溶けない、不溶性食物繊維。
<不溶性食物繊維の落とし穴>
不溶性食物繊維は便のかさを増す働きがありますが、水分が十分にないと硬い便になり、むしろ便秘を悪化させる可能性があります。
ある研究では、便秘患者に対して食物繊維の摂取をむしろ減らすと、症状が改善したという結果が報告されています(※1)。日本人女性を対象にした1つの研究でも、食物繊維の摂取と便秘の改善には関係が見られなかったと結論付けられているのです(※2)。
つまり、やみくもに食物繊維を多く摂ることは得策ではない可能性がありそうですね!
続いては、水分について。「水をたくさん飲めば便秘は解消する!」という意見もありますが、こちらも実際はそう単純ではありません。理由は以下の2点。
理由① 大腸での水分吸収
水分は、小腸でほぼ吸収されてしまうため、摂取量を増やしても大腸に残る水分はごくわずか。茶色の宝石(便)は大腸で徐々に作られていくので、大腸に届かないと意味がないわけですね。
理由② 体のホメオスタシス機能(いつも通りを維持する機能)
どれだけ水分を沢山とっても、余分な水分は尿として排出されます。ですので、いくら飲んでも茶色の宝石(便)の水分量に大きな影響は出ない可能性があるのです。
研究結果をみてみると「1日500ml以下の摂取」だと、便秘が悪化する可能性が示唆されています。でも、1日500ml以下ってかなり少ないので、逆にいえばそこまで極端に多く飲んでも便通には関与しない可能性があるのです(※2)。
大切なのは、飲む水分だけでなく、食事からの「食べる水分」も意識することだと分かっています。筆者も、水分量が多いお米や野菜、果物を積極的に摂るようにしていますよ!
食物繊維を摂ると逆に便秘になる?
水分だけでは便通が良くならない理由
