【AV男優・森林原人の性活相談 第134回】 経験人数9,000人、出演本数10,000本以上、下は18歳から上は69歳まで、性別の垣根を越えてさまざまなエッチを経験するAV男優・森林原人が、女性の性に関するお悩みに答えます。 相談者：匿名 　以前「彼とのセックスは気持ちいいけどイケない」という悩みに回答していただいた者です。 　あの時は厳しくも優しいお言葉で、彼以外とセックスを楽しむことに背中を押していただきありがとうございました。 　あの後、彼に許可を取り、いろんな人とセーフティでフェアなセックスをたくさん重ねることで、めでたく「中イキ」を数え切れないほど経験できました。 　この度、あの時の彼と4年お付き合いして結婚したため、節目としてもう一度相談したいことがあります。 　結局今の今まで夫とのセックスでは中イキができたことが1、2回ほどしかありません。それも他の人とした直後のセックスです。また、夫とする時は痛いことが多いです。でも、挿入して抱きしめ合ってキスをして、目を合わせると涙が出るほど幸せです。 　それでも私は夫でイクことへの執着がまだあるようで、中でイケないことを不満に思い、行為後に「中でイケないなあ」とぼそっと声に出してしまいます。彼はその度に「イクことばかり目的にしないで、抱きしめたりキスをして幸せだなあじゃだめなの？」と言います。また、「俺のせいだよね…」というニュアンスの発言も。 　夫は私と違ってよそで遊ぶことに興味がありません。なんだか平等ではない感じで、罪悪感があります。「セックスは外で」をうまく続けるコツはありますか？ 　色々と突っ込みどころの多い相談ですが、とりあえずは、中イキできるようになって良かったですね。おめでとうございます！ これもひとえにあなたの欲望が本物だったからで、腹をくくって彼に相談し、外に出て、その上で成果を出したのですから大したもんです。 　その行動力と絶えることのない欲望が、多くの人とあなたの違いです。自分がしたいことやそれを叶えるためにすべきことがわからなくなっている人が多い中、自分の欲望がはっきりとわかっているというのは素晴らしいことだと思います。 　さて今回の相談ですが、セックスを外でするコツを知りたいのですね。それに答えていく前に、あなたの思考回路を整理してみます。 　まず、あなたが抱えている罪悪感は、外でセックスしてくることではなく、旦那さんと自分のセックスの充実度に差を感じていることが大きな要因です。でも、実際のところ、彼は不平等と感じているのでしょうか？ 相談文を読む限りはそういった趣旨の発言は無さそうで、彼は感じていないと思われます。 　セックス以外のことでもよくあることなのですが、何かを持つ者が、自分の尺度（価値観）を持たざる者にも当てはめて、同情したり見下したりするのです。でも実は、持たざる者は不足を感じてはおらず、持つ者だけがその何かを手にすることにこだわっていて、内面が本当に満たされていないのは持つ者の方だったりします。 　持つ者は、持つことに価値を見出してしまったばかりにいつまでもそこから離れることが出来ず、持つモノを増やそうとしたり、新たなモノに取り替えようとしたり、同時に複数のモノを持とうとしてしまう無限のサイクルから抜け出せないのです。 　この話のポイントは、その何かが、そもそも意味のないモノだったり、陽炎のように存在しないモノだったりして、どれだけ手に入れた気になっていても手に入っていない、というところです。 　中イキする気持ち良さについては、男ながらにわかっているつもりです。だけども、中イキは結果であって目的にするべきものではないのです。ここすごく難しいところなので繰り返しますね。中イキすることはセックスの喜びのひとつではあるけど、それがすべてになってはいけない。セックスの本質はイクことにあるのではないのだから。 　中イキにこだわり、それが別で叶うと、今度は旦那での中イキにこだわる。もし旦那さんで中イキできるようになったら、この執着から抜け出せると思いますか？ きっと無理でしょう。あなたが求めているものは次々と現れてくるので、実はどこにもないことと一緒なのです。 　結婚という節目を迎えたとのことですが、あなたの中身は何も変わっていません。そもそも結婚したことで変わるのは社会的立場だけだから当たり前なのですが、立ち止まり考え直すきっかけにはなります。そろそろ執着の無限サイクルから抜け出しませんか。