人一倍欲深かった僕は、セックスに目的意識を持ち込むのを止めることで、セックスに翻弄されにくくなりました。セックスは好きだけど、セックスで何かを達成するのはどうでもよくなりました。 　目的意識を持ってセックスすると自己完結します。一方、バカになってセックスを楽しむと相手とつながれます。セックスの良さの本質はそっちなのです。言い切ります。セックスの核は、挿入じゃなく触れ合いです。イクことではなく抱きしめ合いひとつになることです。 　触れ合い、抱きしめ合い、ひとつになること。簡単なようで難しいです。まず何が難しいかって、そんなことをしたいと思い合える相手を見つけることです。セックスの中身より、セックスに至るまでで苦労している人がどれだけ多いか。 　そろそろわかってきましたか？ あなたには、そんな相手がいるのです。旦那さんです。彼に挿入され抱き合い見つめ合うと涙が出るほど幸せだと書いてありますが、前後の文脈からすると、あなた達はあと一歩のところでつながれていません。あなたの幸せの涙はナルシスティックな涙です。達成の涙であって、つながって溶けた涙とは違います。 　勘違いしないで欲しいのですが、今が悪いわけではありません。でも、本当に相手とつながるのとはちょっと違う方向にいっています。なぜそう思ったかというと、相談文の端々から感じる旦那さんとの食い違いです。 　彼とのセックスで痛くなることが多い。中イキできないのを彼のせいにする。これらは、彼とコミュニケーションがちゃんと取れていないことが原因です。ちゃんと言葉で伝え合い、お互いに思いやる心があれば、痛くなることはないのです。他の人とやっているときにならないのだから、旦那さんとのコミュニケーションが決定的に欠けています。 　セックスで相手とつながるには、矛盾しますが、性器“以外”でどれだけ繋がれるかなんです。目と目だったり肌だったり、言葉だったり。旦那さんは旦那さんで、抱き合ってさえいればいいとたかをくくっています。抱き合っているだけでも、抱き合わないよりは100倍良いのですが、そこに心が付いてきていないと、ただの組体操になっちゃうんです。本当に惜しいんですよ、あなた達。 　外でうまくやるコツは内が何もないことです。家庭内別居とか、完全なるセックスレスとか。内があるあなた達は、外でうまくやるには、内に向き過ぎているのです。目は前後についていない。外見るか、内見るか。見つめ合うセックスを知ってしまったばかりに、あれこれ出来なくなったのです。本当の幸せはあなた次第で手に入りますよ。もうすぐそこです。 ＜文／森林原人＞ ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【性活相談者を募集！】 森林原人さんに悩みを相談したい方は、こちらのお問い合わせフォーム(https://joshi-spa.jp/inquiry)まで、お名前はハンドルネームまたは匿名希望、題名の冒頭に【性活相談】を入れ、お送りください。 ※相談内容の一部を変えて取り上げさせていただく場合がございます。