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39歳、仕事に疲れた女性が結婚したら…「食わせてやってる」とDV夫に豹変

 配偶者・交際相手からのDV(暴力)についての相談は年間10万6110件にのぼり、うち98%は女性からの相談です(平成29年4月~30年3月、配偶者暴力相談支援センターへの相談件数)。  1992年から「離婚110番」を主宰する澁川良幸氏(離婚カウンセラー・夫婦問題アドバイザー)のところにも、DV相談は数多く寄せられるそうです。そこで、澁川さんの話をもとにケースを再現しました。
DV夫

写真はイメージです(以下同)

「DVの被害を受けた私を、夫が裁判で訴えるというのです。加害者は夫なのに、私が加害者だと主張して…」  と嘆くのは、香川裕子さん(仮名・42歳)。22歳年上でバツイチの大工の棟梁と3年前に結婚してから、すぐに夫からDVを受け始めたそうです。さらに夫は浮気をして生活費も入れなくなったため、生活に困った香川さんはついに調停へ。ところがDV夫が、逆に「訴える」と言い出したのです。  一体何が起きたのでしょうか。

「食わせてやってんだ。文句言うな」

「親が亡くなってから、親の借金を返すために派遣社員とスナック勤めを掛け持ちしていました。でも39歳になると、体力の限界を感じて、稼ぎの良いスナックの店員を選びました」(香川さん)  するとスナックの常連で大工の棟梁の男性から、盛んに口説かれたそうです。 「借金を全額返済してあげる、専業主婦になって好きなことをすればいい、と。毎晩口説かれているうちに、これまでWワークで毎日働いていた私は、『楽になりたい』という気持ちになってきて、プロポーズを受けたんです」  ところが結婚した途端に、DVが始まったそうです。 「夫はキャバクラに通い、そのことを問いただすと『食わせてやっているんだ。文句言うな』と、殴る蹴るが始まったんです。最初のうちは、様子見をしようと我慢していましたが、別のスナックで働いていた女性と浮気が発覚すると、生活費も入れなくなり、催促すると夫は家を出ていってしまいました」 割れたグラス

調停を起こしたら、夫が逆ギレ

 結婚前に夫が言ったことを信じ、騙されるような形で結婚したことを後悔する香川さん。夫が出ていって経済的に困った香川さんは、法テラス(無料の法律相談所)の弁護士に相談します。すると、調停を起こすことをアドバイスされました。調停とは、裁判所で裁判官・調停委員に立ち会ってもらい、双方で話し合いをすることです。 「調停で裁判所に夫を呼び出すと、凄い目つきでニラまれて、DVを思い出して震えあがりました。ですが調停で、毎月生活費を入れる、という条件を勝ち取ることができました。ほっとしたものの、今度は、夫が逆ギレしたんです」  なんと夫は、裁判を起こして香川さんを訴える、と言い始めたのです。 「『妻からDVを受けた、妻が浮気している』として、裁判を起こすというのです。でも、事実は逆です。専門家から紹介された弁護士に『離婚できます。一緒に戦いましょう』と励まされて、やっと奮い立つことができました」  離婚が成立すれば、浮気や暴力で慰謝料を200万円ぐらい取れる、と弁護士。慰謝料を勝ち取ることが目下の目標だそうです。
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