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子育て費用が足りるか心配…高齢出産でもやっていける?

お金の人生相談/ファイナンシャルプランナー・花輪陽子>

相談:高齢出産後のマネープランについて教えてください

不妊治療で子どもを授かれたとしても、その後のマネープランが不安です(37歳女性・会社員)
不妊治療に通う夫婦

画像はイメージです(以下同)

 30代後半の夫婦です。子どもができず、不妊治療を続けています。時間的にもお金的にもどんどん厳しくなってくる中で、もし授かることができたとしても、その後が不安になってきます。  そろそろタイムリミットを決めて諦めるべきなのだろうかとも話していますが、考えるにあたり、実際に子どもができたときのマネープランが知りたいです。(37歳女性・会社員)

回答:特別な教育をしなければ、経済的負担は増えない

 不妊治療にはお金がかかる上に、いつ終わるのか先が見えないので経済的にも不安になりますね。子どもができた後のマネープランがどれくらい変わるかを考えてみましょう。  私のところに相談に来られる方の中には、男性だと50代などで第一子を儲けられた方もいらっしゃいますし、女性の場合でも40代でという方はたくさんいます。子どもの数にもよりますが、1人などであれば(もちろん進路にはよるものの)それほど経済的な負担は大きくないという家庭もあります。 父と子 ただし、仮に夫の年齢が45歳の時に第一子を設けるとすると、夫の年齢が60歳の時に子どもの年齢は15歳、65歳の時の子どもの年齢は20歳ということは、きちんと頭に入れてライフプランを立てましょう。

教育費は公立中高で月4万、公立大学で月11万

 文部科学省の「子どもの学習費調査」(2018年度)によると、授業料、給食費、学校外活動費(塾や習い事など)を含む1ヵ月の学習費総額は、中学生の場合、公立で約4万円、私立で11.1万円。高校生では公立で約3.8万円、私立で約8.7万円となっています。  大学の入学・在学費用に関しては、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(2018年度)によると、国公立大学の場合は合計約539万円(月額約11.2万円)、私立大学文系の場合は約731万円(月額約15.2万円)、私立大学理系の場合は約827万円(月額約17.2万円)です。  不妊治療にかかるお金は月数万円から、時に数十万円とかなり膨らんでしまうこともあるかと思います。それに比べ、子どもの学費は公立コースで高等教育までであれば、不妊治療にかかっているお金よりも支出が少なくなる可能性もあるのです。質問者の方のように共働きによるダブルインカムであったり、年齢を重ねて昇進などで収入も増えている方も多いかと思いますので、出産後のマネープランについては、あまり不安に思わなくてもいいでしょう。

過剰な心配はしすぎないで

ランドセルを背負った小学生 また、子育てをしているともらえるお金もあります。年に3回支給される児童手当です。  児童手当を使わずに頑張って全部貯めると、子ども1人当たり約200万円(3歳未満=月額1万5,000円、3歳以上小学校修了前=第1子・第2子は月額1万円、第3子は月額1万5,000円、中学校=月額1万円 ※所得制限あり)になるのです。  また、2019年10月より、3~5歳まで、全ての子どもたちの幼稚園や保育園の費用を無償化し、0~2歳児も、所得の低い世帯では全面的な無償化の実施が目指されています。  特別な教育をしたりしない限りは子どもができてもやりくりはできている家庭がほとんど。過剰な心配をしなくても大丈夫でしょう。 <文/花輪陽子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
花輪陽子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP(R)認定者。1978年生まれ、外資系投資銀行をへてFPとして独立。現在シンガポール在住。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。公式サイト
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