前出のA子さんも、自宅に4匹連れ帰ったそうです。
「うちには既に15匹の保護猫がいたので、19匹になっちゃいました。保護した4匹のうち2匹はケガがひどくて。他の猫に背中を噛まれて、傷口にひどく膿が溜まってしまって、病院で治療しました。
あとの2匹は里親募集中ですが、日本では子猫が人気だから、成猫はなかなか里親が見つからないんですよね…。
この子たちの里親が決まったら、次の子を引き出そうと思っていますが、どれだけ時間がかかるのか――途方に暮れます」(Aさん)

A子さん宅で里親募集中の、てんてん(左、3-4歳の女の子)と、あつまる(右、4-5歳の男の子)。トイレもちゃんと猫砂でできます

背中のケガを治療して、療養中
トラウマを抱えた猫を大切に世話して、人間への信頼感を持ってもらってから、里親を見つけるには、数ケ月~数年かかるのです。
では、今も部屋に残された101匹は、どうなるのでしょうか?
「他の団体も、これ以上、預かれる余力がないんです。これからは私たちが定期的に通って、部屋を清潔にして、餌代も支援していくことにしました。1日で餌10キロぐらいなくなるんですけどね…。
そして1匹でも多く、里親に出す努力をしていきます」(佐藤さん)

9月、シートを張り替えエアコンも付いた部屋
「全く先が見えない」という中で、奮闘するボランティアの人たち。そして、つらい環境に置かれた猫たち。
もしこの記事を読んで、寄付金や支援物資(カリカリ餌など)を送りたい、里親になりたい、預かりボランティアをしたい等と思ったら、「かつしかわんにゃんくらぶ」や前述の団体のHPを参照してください(支援物資は不要な物を送ると迷惑がかかるので、各団体の欲しいものリストを参照するか、寄付金が無難です)。
※「かつしかわんにゃんくらぶ」への寄付:亀有信用金庫 青戸支店
普通口座 1173623 佐藤千鶴子(サトウ チヅコ)
※支援物資の送り先:(ヤマトでお願いします)
〒125-0032 東京都葛飾区水元2-18-20 ヤマト運輸水元センター
宛先名:かつしかわんにゃんくらぶ佐藤千鶴子 電話番号:03-6368-8875
(電話番号は便宜的にスパ編集部の番号です)
支援物資欲しいものリスト
https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/1E3YZ6VUUIPA0?ref_=wl_share

凄い数のワクチン証明書

9月、不妊手術が完了し、その部屋で暮らす猫たち
ここ数年、全国各地で起きている多頭崩壊。A子さんはこう話します。
「今回、もし多頭崩壊の場所を明かしたら、飼い主へのバッシングが起きるし、退去命令が出て猫たちが愛護センター行きになって、どうなってしまうかわかりません。それだけは避けたいのです」
ひどい飼い主だと叩くのは簡単ですが、彼女なりに掃除や餌やりなどやっていたそう。なにより、猫と飼い主を守ろうというボランティアの人たちの心意気に胸を打たれます。
ただ、最後に佐藤さんはこう断言していました。
「多頭崩壊の多くは、お金がなくて不妊手術を受けさせないのが原因です。1万~2万円の手術代が出せないなら、飼わないでほしいです」
<文/女子SPA!編集部>
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