「結婚式を“自粛”すればキャンセル料70万円と…」式を決行した夫婦のリアル
新型コロナウイルスの影響と、不要不急の外出自粛で、経済的に苦しい業界はいくつもあるでしょう。ブライダル業界もそのうちの一つ。延期やキャンセルが相次いでいると言います。
そんな中で、なんとか結婚式を決行したという夫婦も中にはいます。今までとは明らかに違う春、今挙げる結婚式はどんなものだったのでしょうか。
(※政府が緊急事態宣言を出した4月7日以降、結婚式場自体が営業自粛をするところも増え、その場合はキャンセル料の扱いも変わってくると思われます)
2020年3月、結婚式を挙げたある夫婦に話を聞きました。とにかく、直前で変更するべき点が多く出てきて、式場も夫婦も大変だったといいます。
「式を挙げるかどうかは直前まで本当に悩みました。しかし、結局結婚式のキャンセルについては、僕たちがコロナにかからない限りは“自分都合”のキャンセルになるということで、想像よりずっと高いキャンセル料を払うことになるということもあり、僕たちはそれでも来たいと思ってくれる人だけを呼んで結婚式をすることにしました。
まず、LINEの一斉送信では誠意が伝わらないと思い、出席を予定してくれていた人たち全員に電話をかけました。もしも来るのが難しいと思った場合、直前でもキャンセルしてもらって構わないということと、それでも来たいと思ってくれるなら、精一杯おもてなししたいという旨を伝えました」
結果、職場関係の人たちや、家庭に子供や高齢の方がいる友人は欠席となり、人数は予定していた1/4ほどの人数に。
「また、二次会はさすがに会場ごとキャンセルにしたり、フードメニューも感染予防のため、スイーツのビュッフェなどを見直したりしました。人数の変動で余興もなくなったため、急遽追加でムービーを作成したりと、とにかくてんやわんやでした」
ビュッフェスタイルでの飲食は、厚生労働省による「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」でも自粛の対象として言及されています。また、屋内の閉鎖的な空間での飲食などで、患者集団が生まれる恐れがあるとも言われており、今春結婚式を挙げる予定だった人々は、決行にしろ延期もしくはキャンセルにしろ、苦渋の決断を強いられたことでしょう。
しかし、結婚式が「不要不急」かと言えば、本人たちにとっては不要ではないわけで、延期のためのキャンセル代をどこにも補償してもらえないことに困ってしまった夫婦も多いはずです。
「会場にはエタノール除菌液を配備して、中庭を開け放して空気を循環するようにしたりと、予防のための工夫はしました。結婚式は結局予定とは全く違うものになってしまいましたが、僕たちは本当に幸せでした。
しかし、仕方のないことですが、職業柄もあってか『責任感に欠けるのでは』との批判の意見も中にはありました。特に妻の職場はそういった声が多かったようで、気が滅入ってしまったようです」
フードや二次会の変更や中止でてんやわんや

「こんな時に結婚式なんて……」
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