このようにコミュニケーションをコントロールや損得で進めていると、いつまでも「受け取る」という女性性は発揮できません。

だから直していくべきですが、難しいのが、こういった話を私たちは子どもの頃から、誰からも学んでいないということです。
本来コミュニケーションのとり方は、基本的に親から学び身につけるものです。しかし親が男性性と女性性の両方を正しく使ってコミュニケーションを取る場合は少ないもの。インタビューの際、世間のリーダーにもまだまだ女性性を使って活躍している人は少ない、と安東さんは話していました。
「女性のロールモデルがいない」ともいいますし、私もお手本にしたい女性に出会ったことがありません。それはつまり、内へ向かうエネルギーを正しく使って活躍することの難しさや、幅の広さがそうさせているのかもしれない。
そして「預けて受け取る」という良い循環をしていくには、土台としての自己肯定感を見直す必要がありそうだと、改めて思うのでした。
【取材協力】
Life Design Labo/安東秀海・安東美紀子
業界最大手のカウンセリング事務所にてカウンセラー&講師として活動後、2015年に独立。結婚生活に悩む夫婦のためのカウンセリング&コーチングを行う。機能不全を生んでいる夫婦間のコミュニケーションパターン、価値観の違い、感情的なもつれを特定し、関係性修復に導くアプローチを得意とする。東京渋谷のカウンセリングルームには危機に直面した多くの夫婦が訪れている。
<取材・文・イラスト/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
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