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コロナを機に「都会で暮らす必要ないかも…」シングルマザーの決意

「子供のため」都会暮らしを手放す決意

都会を捨てる そして、大阪の独自モデルで休業要請が解除された5月下旬、里英さんは決意を固めます。 「17年ぶりに実家に連絡を取ったんです。ずっと連絡を絶っていたことで申し訳ない気持ちもあったので、恐る恐る電話をかけました。しばらくコロナが落ち着きそうにないと思い、地元の様子を聞いて子供が外で自由に遊べるような環境だったら帰りたいと話すと、親は久しぶりの私からの電話と子供がいることにものすごく驚いていましたね。でも、同時に喜んでくれたので、それからしばらくして地元に帰りました。  17年ぶりに再開した両親は、私と子供の顔を見るなり泣いて喜んでくれました。地元では感染者が少なかったことと、個人経営の店が多く飲食店とかは多少開いていたので自粛中でもそこまで生活には困らなかったそうです。何より、子供が外で自由に遊べるのが嬉しかったですね」  コロナを機に地方の実家などに住処を移すことは、今“コロナ疎開”と呼ばれて批判もあり、里英さんの行動も一般的には推奨されるものではないでしょう。そこで里英さんは、両親になるべく心配をかけないようにと、実家近くにアパートを借り、引っ越し後一定期間は外出を最低限に抑えるなど、できる限りの対策を行ったといいます。  以前住んでいたマンションに比べると現在の家賃は半分以下になったため「コロナが落ち着いたら地元でパートを探そうと思っている」と話します。 「今は在宅でできる仕事を友人から紹介してもらい、一時的に働くことになりました。親が子供を夕方預かってくれるので時間にも余裕が持てるようになりましたね。それにスーパーに行くのも実家の車を借りられるので、すごくラクになりました。地元の生活はあんなに嫌だったのに、今は実家が近くにあることに心強さを感じますね」  中には「コロナウイルスを持ち込まないで」と帰省を嫌がる親もいるなか、里英さんを歓迎した両親。高齢の両親の側も、娘が地元にいることを心強く感じたのでしょう。  都会ならではの利便性よりも、家族での助け合いを選んだ里英さん。今、家族のありがたみを噛み締めているといいます。 ―私が「手放して」よかったもの― <文/カワノアユミ>
カワノアユミ
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウントは@ayumikawano
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