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コロナで月収8万円に減った女性。納豆は2食に分け、もやしでしのぐ日々

 何十社と就活しても内定が取れない90年代末、筆者はとある地方都市で大学生をしていました。当時、大学の就職課には全国規模ではない地元企業の、初任給が手取りで10万円以下という今では考えられない激安求人情報がいくつもあったのを覚えています。 貧困 そして現在、新型コロナウイルス感染症の影響による解雇者数が8月末に累計5万人を超えました。厚生労働省がハローワークなどを通じて把握した雇い止めを含む解雇者数だけでも計50326人で、実際にはさらに多いとみられます。 「私もコロナの影響で、給料の手取りが月8万円台になっているので…。以前ならあり得ない、さすがに安すぎると信じられないような額です」  そう嘆くのは、2年前からダイニングバーのアルバイトとして働く吉井みち子さん(仮名・24歳)。
吉井みち子さん(仮名・24歳)

吉井みち子さん(仮名・24歳)

高校卒業後、就職するもセクハラで退社しフリーターに

「最初は高校卒業後、地元の金属部品工場に就職したんです。確か、初任給は手取り13万円台でしたが、辞める直前は15万円ほどでした。家からも近くて、従業員の方もよくしてくださったのですが社長のセクハラがひどくて。  アラフォー世代の方だったんですが、『俺はまだイケてるぜ』って感じの圧がすごくて食事をしきりに誘ってくるんです。こちらは実家住まいで親が厳しいとか何かと口実をつけて断っていましたが、社長だって私が避けているのに気づくじゃないですか。それで見覚えのない仕事のミスを私の責任にされて叱責されたり、今度はパワハラがひどくなってそれで1年半で辞めたんです」
セクハラパワハラ上司

写真はイメージです

 本当は正社員として転職しようと思ったそうですが、面接で短期間で辞めたことの説明を求められたことが嫌で「とりあえずバイトでいいや」と妥協。現在のダイニングバーも雇ってくれたから仕事をしているだけで、特に興味があったわけではないとか。 「高校のころも飲食店でバイトしていて働きやすいと思っただけなんです。人に左右されるところはありますけど、仕事内容そのものはシンプルで覚えることもそんなに多いわけではないですから」

給料が8万円台に激減し、生活できない……

 給料は手取りで14~15万円。ところが、コロナの影響で緊急事態宣言発令翌日の4月8日から5月末前までお店は休業。  6月からは営業再開となったものの短縮営業を強いられていること、また客足も少ないことからシフト調整が行われ、以前ほど稼ぐことができないそうです。 「店を閉めている間は、アルバイトでも休業手当をもらえましたが通常の6割だったので8万円台。実家住まいならこれでも十分生活できましたが、去年から一人暮らしを始めたので……。  営業再開後も出勤調整で思うように働くことができなくて、7月の給料も約8万6000円。不足分は少ない貯金を削ってなんとかしのいでいる状態で、このままでは破綻も時間の問題でした」  ちなみに一人暮らしを始めたのは、彼女の希望ではなく、母親が再婚することになったため。つまり、彼女には帰る場所がなく、今の生活を維持する必要があったのです。
家賃4万8000円の自宅

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惣菜は半額シールが貼られていないものを数年買ったことがない
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