主夫を満喫しているように見えた彼氏からまさかの別れ話
「カレは主夫をそれなりに楽しんでいるように見えました。本人も『家事をしても日中は時間があるからゴロゴロしたり、本を読んで過ごしてる』と話していたし、私が思っている以上に主夫に向いていたのかなって。
私としては仕事に集中できるし、この状態がずっと続けばいいくらいに思っていました」
ところが、彼氏が主夫をはじめて1年が経ったころ、その生活が突然終わりを迎えることに。ある週末の夜、彼がいつになく真剣な表情で「大事な話がある」と言うと、交際の解消を告げてきたそうです。
「カレ自身、主夫はすごく居心地がよかったと話していましたが、『このまま主夫を続けていたら僕はダメになってしまう』って。
私は全然気がつかなかったんですけど、悩んだ末の結論というのがわかったし、そもそも主夫をさせたのは私です。主夫をやめたいというだけなら話し合いの余地はあったかもしれませんが、それを飛び越えて別れると言ってきた。本当は嫌だったけど、私にはそれを受け入れて別れに応じるという選択しかできませんでした」
別れてから10年が経ちましたが、美羽さんは今も独身。数人の男性と交際したものの3年前からは彼氏もいない状態だといいます。

「できれば結婚したいと思っていますけど、このまま一生独身かもしれないなって。改めて振り返ってみると、あのカレが結婚に一番近い存在だったのかも。同棲した唯一の男性でしたしね」
それだけに悔やんでも悔やみきれないものがあるようです。
「カレに主夫を頼んだのは、本当に引き受けてくれたらうれしいけど、さすがに断るだろうと思っていたんです。けど、軽いノリで安易に言ってしまった。あのときのカレの立場を考えれば、断りずらい頼みだと想像がついたはずなのに……。
カレは家事もそつなくこなしてくれたし、結婚して共働きで家事分担しても上手くやっていけはずです。でも、自分のせいでそんな未来をフイにしてしまった。その後悔は今だに忘れることはできません。きっとこの先も消えることはないんだろうなって」
確かに、パートナーに主夫/主婦をお願いするのは、ある意味一生を左右するようなことです。とはいえ、彼氏が「主夫をやめて仕事を探す」と言えばすむ話なのに、「別れる」と決めたのは、何か別の原因があったのかも…という気もするのでした。
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恋愛・結婚“私の失敗”―
<文/トシタカマサ>
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トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。