彼からは一切、返信が来なくなってしまったそう。
「まさかフェードアウトのつもりだったとは思わず、『いつが空いている?』『クリスマスはどうするの?』と送り続けました。そんなとき、知人女性のMが、彼のTwitterをフォローしていたのを偶然見つけました。S君は、ほとんど呟いていなかったですが、Mが少しセクシーな服装で猫を抱えた画像などを、何枚も“いいね”していたんです……」
Mと真美子さんに面識があることを、S君は知りません。誰に“いいね”をしているかまでわかっちゃうのがSNSの怖いところ。
「我慢できず、S君の家に押しかけてしまいました。S君に直接問い詰めると、『別れたくはないけど、結婚とかは考えてない。たまにご飯は食べに行ったりしよう』って言うんです。彼が寂しい年末を過ごせば、きっと気が変わると思って、年末年始はあえて何も言わずに、別々で過ごすことにしました。LINEで新年の挨拶だけは送りましたが、既読スルーでした……」
それはっきりフラれてるでしょ、と思うのですが、真美子さんはまだ諦めませんでした。

そこで、真美子さんはある行動に出ます。
「気になってしまい、それとなくMに連絡したんです。するとS君がMに年賀メッセージを送っていたことが判明しました。しかも『今年は誰からも挨拶が来なくてMちゃんから来て嬉しかった』と書いてありました。これには頭に来ましたね……」
真美子さんは憤慨し、いままであえてフォローしていなかったS君のTwitterアカウントをフォロー。Mと会う約束をとりつけました。その理由は……。
「Mと一緒にいることをアピールする投稿をSNSに載せたんです。本当はそこまで仲良くないけど、わざと“親友”と書いて……。すると、慌てたS君から連絡が来ました。彼は『なんでそこが知り合いなの?』と驚いていました。Mに送ったメッセの内容は全部知っていると言うと、逆ギレしだしたんです。これには呆れました」
真美子さんとはフェードアウトを狙って、Mにアピールをしていた元カレ。それがTwitterの“いいね”からバレてしまうとは、SNS時代ならでは、ですね。とはいえ、Mと親友を装ったところで、彼氏の気持ちが戻ってくるはずもないのですが…。
―
年末年始のトホホエピソード―
<取材・文/阿佐谷蘭子 イラスト/やましたともこ>