――色選び以外で、スタイリングの際に気をつけていることは?
亘「ドラマで着る服というのは雑誌で着る服とは違って、 “演技があっての服”ですよね。だから、その人物のキャラクターをきちんと捉えたうえで、『
このシチュエーションだったら何を着るのがいいか』というのをしっかり考えています。
たとえば、いくらみくりがポジティブだからって悲しいシーンにピンクのフリフリを着せるわけにはいかないので、悲しみが伝わるよう落ちついた色味を選ぶとか。歩くシーンが多いときは、立ち姿がきれいに見えるシルエットの服を選ぶとか」
――やみくもに「このコーデがかわいいからこれにする」じゃダメなんですね。
亘「そう。かなり意図的にコーデしてるんです。たとえば、『
お出かけのシーンだからキュートに見えるバッグにしよう』と選んだバッグってやっぱり目を引くので、その意図には気づかなくても、見た人は『あのバッグかわいいな』ってなると思うんですよ。そうすると、その人物もかわいく見えてきて、感情移入しやすくなったりしませんか?」

――確かに!
亘「
『服がかわいかったな』という印象を残しつつ、より登場人物のキャラクター性や魅力を映し出せるコーディネートをするってことですね。だから、ドラマにおける服って大事だと思うんです」
――その通りですね。このお話を聞いたうえでドラマを見たら、「この服このシーンにマッチしてる!」という視点も加わって楽しいかも。しかも、「こういうときにこういう服を着るとかわいく見えるんだな」という勉強にもなりますね。
亘「シチュエーション別のコーデの勉強にもなるし、カラーコーデの勉強にもなるし、着こなしや小物使いの勉強にもなると思いますよ」